関東大手の小田急電鉄は6月5日、2016年度の全70駅の1日平均乗降人員を公表した。これまで最も乗り降りが少なかった足柄駅(神奈川県小田原市)は、利用者の増加で69位に浮上。これにより南新宿駅(東京都渋谷区)が最下位の70位に転落した。
公表資料によると、小田急線内で1日平均の乗降人員が最も多かった駅は、小田急のターミナルである新宿駅。2015年度に比べ1.6%増の49万9919人だった。これに町田駅(29万1802人)、代々木上原駅(25万5378人)、藤沢駅(16万4255人)、登戸駅(16万2422人)が続いている。
一方、これまで70位だった足柄駅は、2015年度に比べ7.0%増の3877人に。南新宿駅は0.9%減の3782人で足柄駅より少なくなり、順位が入れ替わった。
南新宿駅は、乗降人員1位を誇る新宿駅の南隣にある駅。「新宿」を名乗ってはいるが、住所は渋谷区代々木二丁目になる。新宿駅からの営業距離は0.8km。JR・都営地下鉄の代々木駅も東へ約300mのところにあり、いずれも歩いて行ける範囲だ。
南新宿駅は急行などの速達列車が通過するため、全ての列車が発着する新宿駅に比べて列車の本数が少ない。路線の乗り入れ数も新宿駅や代々木駅の方が多く、南新宿駅周辺に居住・勤務している人も、利便性の高い新宿駅や代々木駅を利用しているケースが多いとみられる。近年の乗降人員は3600~3800人台で推移している。
足柄駅は、東京都心から遠く離れた小田原市郊外の駅。2006年度から2012年度にかけては3000人前後で推移していたが、2013年度以降は徐々に増加。2016年度は10年前の2006年度に比べ3割近く増えている。
小田急CSR・広報部は取材に対し、「足柄駅の利用者が増えている理由は分からない。近くに工場が移転してきたので、もしかするとそれが影響しているのかもしれない」などと話した。