“空のF1”とも呼ばれる「レッドブル・エアレース千葉 2017」が3日、千葉市美浜区の幕張海浜公園で開催され、4日を前にした予選が行われた。日本人パイロットの室屋義秀選手はこの予選で14人中4位につけ、米国サンディエゴでの第2戦に続く好調ぶりを見せつけた。
3日は前日行われる予定だったテストフライト「フリープラクティス3」と「フリープラクティス4」を昼過ぎより開催。“3”で室屋選手は12位と出遅れたが、“4”では5位にまで順位を上げ、同セクションでトップだったマルティン・ソンカ選手と1秒414差にまで追い上げた。
その後、会場付近は夕方が近づくにつれて風が強くなり、パイロンも時折、見た目でもわかるほど揺れるまでになってきた。選手にとってはパイロンのブレは思わぬアクシデントにもつながるわけで、「この様子では昨年と同様、予選が中止になるかも知れない」との声も出始めたほどだった。
その後、少し様子を見ているような雰囲気が流れたが、予選は16時から予定通りスタートした。スタートの順番はこれまでのポイントランキングから決められ、その順位で現在3位である室屋選手は12番目のスタートとなった。
各選手が風の影響を受けたのか、パイロンを次々に切っていく。一人ひとり選手が競技を終えていく中、いよいよ室屋選手の順番がやってきた。多くの選手がコース内に入るタイミングを見ながら入っていくのに対し、室屋選手は躊躇することなくコースへ真っ直ぐ入ってきた。
スピードも角度もかなり良さそうな雰囲気。順調にコースをクリアしていく。結果は54秒933。この時点でこの日の予選でトップとなったピート・マクロード選手の54秒609に続く暫定2位。この好タイムを知った会場は大歓声に包まれた。
が、そう甘くはなかった。室屋選手に続く残り2人のマティアス・ドルダラー選手とマルティン・ソンカ選手が、それぞれ室屋選手を上回る54秒656、54秒928を記録。この結果、室屋選手は予選4位で決勝の日を迎えることになった。
予選を前に室屋選手は「実力は伯仲しており、僅差での戦いとなる」との見通しを述べていたが、結果は54秒台に4人の選手が入る予想通りの展開となったわけだ。この決勝は4日の13時05分から幕が切って落とされる。