クルーズ港の旅客ターミナル、官民連携で整備...港湾法改正案を閣議決定

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閣議決定した港湾法改正などについて語る石井啓一国交相(10日・霞が関)
  • 閣議決定した港湾法改正などについて語る石井啓一国交相(10日・霞が関)

訪日クルーズ旅客が倍々で増えている。15年は116万6000人、16年は199万2000人(速報値)。政府は20年には500万人の強気の目標を掲げて、国土交通省は法改正で国際クルーズ船の港整備を急ぐ。

港の整備は国や自治体の仕事だが、数年前までほとんど需要のなかったクルーズ港は数も限られていて、係留施設の事前確保ができないほど混雑を極めている。

同省港湾局は、国際クルーズ港の整備を加速させるため、港湾法を改正して官民連携による建設整備を可能にする。クルーズ港の港湾施設は、船をつなぐ係留施設のほかに、船の乗降客に対応する旅客ターミナルが必要になる。

改正法案では、係留施設は国や自治体が従来通り行い、旅客ターミナルは、その港を利用するクルーズ船の関係会社で実施することができるというものだ。旅客ターミナルを整備した企業は、係留施設使用の優先権を持ち、旅客ターミナルを他社に有料で利用させることができる。旅客ターミナルは空港ビルに相当するもので、保安検査エリアのほかに、利用者の待ち合わせや飲食の場所となるため、乗降客以外の集客も期待できる。

国交省は整備を進める港を全国6港で選定。法案が成立次第、港湾管理者が作成者となって官民連携の計画をまとめる。できあがった港の優先的使用の範囲や料金などについては協定で定める。

また、改正法案には、地域の災害時に海上からの支援を円滑にするため、港湾管理者の要請を受けて、港の管理業務を国が実施できるようにする仕組みを新たに盛り込んだ。

《中島みなみ》

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