赤坂プリンスホテルの跡に建設され、2016年に開業した紀尾井タワー。10月にヤフー本社が移転した。ヤフーの真新しい社員食堂フロアに、「肉フェス」が2日間限定で出現。「既成概念をぶち破るコラボ」という。
初日の2月8日、開店前のメディア公開では、同社事業推進室沼田瑞木リーダーや、肉フェスを主催するAATJの事業推進部泉谷政達部長らが同行した。
フットサルのコートを2面ほどとれそうな広さの社員食堂の一角に、「肉フェス」のノボリがゆれる。2日間限定の“肉フェス社食メニュー”は、「北海道産旭高砂牛のステーキ」ランチ 1280円、「名物!!飲めるハンバーグ」ランチ 1480円、「豪華 A4/A5 佐賀牛の肩ロース焼肉」ランチ 1980円の3種類。
紀尾井町の新しいビルのなかに、“肉フェスの昼”を持ち込んだ想いについて、ヤフー沼田氏はこう話す。「社食のメニューというと、健康志向で街の飲食店よりもリーズナブルというイメージがある。味は少し我慢しても、安くて身体によさそうなものという感じ。でも、このヤフーではまず『うまい!』を最前面に出している。『日本の新しい、未来の社食をつくる』という想いで、初めて肉フェスの雰囲気を社食に採り入れた」。
また、肉フェス側も、リアルな野外グルメフェスの先を見すえた、オフィス街での初の試みについてこう話していた。
「肉フェスはもともと『肉食文化を広げる』というミッションがある。初開催から3年が経ち、累積500万人弱の来場者を数えるまでになった。どの会場も、各店舗ブースに行列ができるけど、ビジネスパーソンは、行列に並ぶようなイベントに参加できない、足が遠のく。そこで野外イベントで人を待つだけでなく、イベントがいろいろなところへ出ていって、全国各地に潜む肉を紹介していこうと」(AATJ泉谷部長)
初日、飲食業界紙や新聞の記者たちは「値段が高いからバカ売れとはいかないだろう」と見ていたが、11時過ぎからのランチタイムに入ると、3メニューの看板の下にはすぐに行列ができた。ヤフー沼田リーダーは、「どのメニューが人気だったかなど、ログをとっている」と語り、こう続けた。
「社食運営会社とも毎日、毎週、打ち合わせを重ねている。BGM(有線)も毎日変えて、刺激や気づきを狙っている。既成概念をぶち破るという意味で、社食も重要なスペース。このコラボも、情報技術で人々の生活と社会をアップデートするというビジョンからのトライ、“UPDATE社員食堂”だ」