三菱重工が3ドメインに再編…組織効率化とシナジーを追求

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三菱重工業の宮永俊一社長
  • 三菱重工業の宮永俊一社長

三菱重工業は、4月1日付でドメインを再編すると発表した。

エネルギー・環境、交通・輸送、防衛・宇宙、機械・設備システムの4ドメインで構成している現在の体制を、個別製品事業単位であるSBU(戦略事業単位)間での入れ替えにより、「パワー」「インダストリー&社会基盤」「航空・防衛・宇宙」の3ドメインに再編、エンジニアリング本部をインダストリー&社会基盤ドメインの傘下に置く。

グローバル競争力やエンジニアリング事業の強化に向けてグループシナジーを発揮しやすくするとともに、民間航空機と商船事業の抜本的改革を推進するのが狙い。

今回の再編は、現状の4ドメイン制の目的は堅持しながらグループの成長に各ドメインが果たす役割と経営コンセプトを明確化で、組織効率とシナジーを追求するとしている。

エネルギー・環境ドメインには、交通・輸送ドメインの民間航空機用エンジン事業と機械・設備システムドメインのコンプレッサ事業を移管する。三菱日立パワーシステムズ(MHPS)の事業などと合わせたターボマシナリー事業全体のシナジー追求に向けて集約し、パワードメインに改称する。

機械・設備システムドメインは、交通・輸送ドメインから商船と客船事業を移管する。従来の垂直統合型から水平分業型に転換し、エンジニアリング事業を統合・強化していく。加えて、EPC(設計・調達・建設)要素の強い事業のグループシナジーを追求するため、エネルギー・環境ドメインから化学プラント事業を、交通・輸送ドメインから交通システム事業をそれぞれ移管する。シェアドテクノロジー部門から移管を受けるエンジニアリング本部の傘下に配置し、インダストリー&社会基盤ドメインに改称する。

防衛・宇宙ドメインは、民間航空機事業とMRJ(三菱リージョナルジェット)事業を、航空機技術のシナジー発揮、経営資源の有効活用を促進するため、交通・輸送ドメインから移管し、航空・防衛・宇宙ドメインに改称する。

加えて、民間航空機事業のサプライチェーン改革に向け、昨年4月に発足した全社の技術・マーケティング・調達などを統括するシェアドテクノロジー部門の活用を強化する。具体的には、民間航空機の調達・工作部門から調達機能をバリューチェーン本部に移管し、新規サプライヤー開拓や調達プロセス改革などを進める。ドメインは、MRJ事業をCEOが直轄管理することなどから、発足当初はドメイン長を置かずCEOの直轄管理による運営形態を採用する。

同社は、2013年にドメイン制へ移行してからもグローバル企業として成長していくため組織運営体制の見直しを継続的に推進している。次の中期経営計画策定に着手する来事業年度の開始を機にドメインの再編と事業を再配置し、グループシナジーを追求する。

《レスポンス編集部》

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