九州大学と新日鉄住金、自動車用鋼板の破壊メカニズムを解明

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自動車用鋼板の破壊メカニズム
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九州大学は1月20日、新日鐵住金との共同研究により、自動車鋼板の破壊メカニズムを解明したと発表した。

今回の共同研究は、九州大学大学院工学研究院の戸田裕之主幹教授と新日鐵住金 技術開発本部鉄鋼研究所の東昌史主幹研究員らによるもの。大型シンクロトロン放射光施設SPring-8での4D観察を活用し、自動車鋼板などとして広く使われているハイテンの一種であるDP鋼の破壊メカニズムを明らかにした。

DP鋼は自動車用として使われているが、その内部組織の複雑さにより、破壊のプロセスはよく分かっていなかった。今回、研究グループがDP鋼の破壊過程を4D観察した結果、3次元的に複雑に絡み合う複雑な組織のうち、特定のサイトで遅れて生じた空隙がその後、急速に伸長して連結することで、鋼板自体の破壊が生じることがわかった。

近年、輸送用機械の効率化・軽量化のニーズが大きくなり、鉄鋼やアルミニウム等の構造材料の研究が再び脚光を浴びている。今回の破壊メカニズムの解明により、より強く、より成形性に優れた鋼板の作成や、DP鋼よりさらに複雑な組織、さらに微細な組織を有する先進鉄鋼材料の評価・開発が期待される。

《纐纈敏也@DAYS》

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