CES 2017は「自動車ショー」の様相に…米アナリストが注目する自動車関連企業9社

1967年にニューヨークでスタートした世界最大の情報家電見本市CESは、すでに「家電」「PC」の枠を超えて久しいが、50周年を迎える今年はとりわけ「自動車ショー」の様相を帯びる、と米国のアナリストは予測する。

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CES2016の様子
  • CES2016の様子
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  • クライスラー パシフィカ ハイブリッド
  • Fusion HybridAutonomous Development Vehicle
  • Autoliv
  • Magna InternationalとInnoviz TechnologiesのLIDARシステム(CES2017)
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2017年1月5日~8日に米国ラスベガスで開催されるコンシューマー・エレクトロニクス・ショー2017(CES 2017)。1967年にニューヨークでスタートした世界最大の情報家電見本市は、すでに「家電」「PC」の枠を超えて久しいが、50周年を迎える今年はとりわけ「自動車ショー」の様相を帯びる、と米国のアナリストは予測する。

金融メディアBenzinga.comは12月28日付記事で、トレーダーが注目する今年のCESのテーマとして「消費者カテゴリーのAI」「ウェアラブル/データ収集」とともに「自動車分野における技術のコンバージェンス(収斂、融合)」を挙げ、自動運転関連の技術、企業が主役となる見通しを示した。

大手銀行KeyBancのアナリストは、CESで文字通り「株を上げる」銘柄についても言及。アナリストがセレクトした注目株は、次の上場企業9社だ。

◆アナリストが注目する企業9社


●オートリブ
Autoliv

「LIV(Learning Intelligence Vehicle)システム」の初デモンストレーション

●デルファイ・オートモーティブ PLC

●フィアット・クライスラー・オートモービルズ
クライスラー パシフィカ ハイブリッド

『パシフィカ』のEVを初公開 ※画像は『パシフィカ ハイブリッド』●フォード・モーター
Fusion HybridAutonomous Development Vehicle

『フュージョン ハイブリッド』の自動運転開発車を発表

●Gentex Corporation
Full Display Mirror

●マグナ・インターナショナル
Magna InternationalとInnoviz TechnologiesのLIDARシステム(CES2017)

Magna InternationalとInnoviz TechnologiesのLIDARシステムを紹介

●Mobileye

●NVIDIA Corporation

●トヨタ自動車

◆CESへの期待が株価にも影響


自動車部品メーカー、デルファイ・オートモーティブ PLCは、ADAS(先進運転支援システム)技術開発企業Mobileyeと共同で、業界初の完全統合型自動運システム「Central Sensing Localization and Planning(CSLP)」を開発。CESでは6.3マイルのデモ走行を行い、高速道路での合流、歩行者や自転車が交錯する市街地、トンネルなど、日常の運転にまつわる課題に取り組むCSLPの能力を実証する。CSLPは2019年までに生産開始が予定されており、好況の自動運転技術を象徴する成長株だ。

また、昨年のCESで世界初の自動運転用スーパーコンピューター「DRIVE PX 2」を発表し、人工知能やVRとともに自動運転技術に力を入れるNVIDIA Corporationも上昇株。金融メディアThe Streetは「CESの前にNVIDIA株を売るな」と忠告する。

NVIDIAの株価は2017年には90ドルに後退、との米株式情報サイト「シトロン・リサーチ」のツイートもかかわらず、28日の取引で6.49%増の109.71ドルに上昇。Nomura Instinetのアナリスト、ロミット・シャー氏は「NVIDIAはCESで、同社がチップを提供する2つの大きな市場、人工知能と自動運転車に関する技術を大々的に売り込むだろう」と予測する。PC、スマートフォン、自動車の筆頭顧客として同社の収益のかなりの部分を占める中国と、米国の今後の関係が不透明な懸念材料はあっても、「一般的にこの種の株はCESのようなイベントまで競り上がる傾向がある。自分なら今は売らない」と忠告。CESオープニングの基調講演に登壇するジェンスン・フアンCEOが何を語るのか注目される。

他にも、新たなリモートセンシング技術「LIDAR(ライダー)」など、次世代自律走行開発車の技術を一新したフォード、AI技術「感情エンジン」搭載のコンセプトカー「NeuV」を世界初公開するホンダ、ユーザーエクスペリエンス(UX)を強調するコンセプトカーとともに、次世代コネクテッド・ビークルとテレマティクス・システムのフレームワークを紹介するトヨタUSAなど、大手メーカーにも熱視線が注がれている。

Neuvデザインスケッチ

さらに、自動車メーカー、サプライヤー、技術プロバイダー間で、いくつかのパートナーシップが発表される、との予測も出ている。新興自動車技術の競争環境が激化し、世界的に自動車サイクルがピークに達するなか、「ADAS、自動運転、電動化、燃料の効率化を可能とする技術」に投資が集中することになるだろう。

《Glycine》

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