国土交通省は、大型車(トラック、バス)のホイール・ボルト折損による車輪脱落事故が依然として高水準で発生しているため、車輪脱落事故防止の徹底を業界団体などに通達した。
国交省では、2015年度中の大型自動車(車両総重量8トン以上のトラックまたは乗車定員30人以上のバス)のホイール・ボルト折損による車輪脱落事故の発生状況をとりまとめた。それによると事故発生件数は41件で前年度比4件減、うち人身事故が1件で、発生件数は4年ぶりに減少したものの依然として高い水準で発生している。特に昨年11月から今年3月の冬期に24件と多発しており、頻繁にタイヤ交換する積雪地域での発生率が高い。
事故直近に行われた車輪脱着作業は、タイヤ交換屋台やローテーションなどの作業が28件(全体の68.3%)、定期点検整備や臨時整備が8件(19.5%)。作業者は大型車ユーザーが22件、整備工場が9件、タイヤ専業店が5件。車輪脱着作業後2カ月以内に発生した事故が30件と全体の7割以上を占めた。
大型自動車のホイール・ボルト折損による車輪脱落事故防止のため、タイヤ交換時や日頃の点検時、規定のトルクでの確実な締め付けや、50~100km走行後を目安にした増し締め、日常(運行前)点検での確認、専用ボルトとナットの使用を関係団体に通達した。
日本トラック協会、日本バス協会、日本自動車整備振興会連合会、全国タイヤ商工協同組合連合会に対して、適正な車輪脱着作業の徹底を会員に要請するよう求めた。