トヨタ自動車は2016年度から全国の大学とで共同開発を進めている生活支援のパートナーロボット『HSR』を福祉機器展に出展し、特設ブース内でペットボトルを拾い上げるなどの実演を行っている。
HSRは2012年に、トヨタパートナーロボットの新シリーズとして「生活支援」に焦点を当てるものとしてコンセプトを発表した。手足の不自由な障がい者のために住居内を移動してモノを持ってきたり、遠隔地の家族とのコミュニケーションなどができる。将来は幅広い一般家庭などでの生活支援も目指している。全長135cm、底面直径は43cmとコンパクトで、カメラによる視覚機能やモノをグリップできる1本のアームを備える。
開発を加速するため、15年には大学など外部機関と「HSR開発コミュニティ」の立ち上げに向けて、参加者を公募。その結果、名古屋大大学院や九州工業大、慶応義塾大など10グループが決まり、コミュニティは16年度から2か年の計画で活動している。
トヨタのパートナーロボット部の開発担当者である池田幸一第1HSRグループ長は「オープンな体制で研究開発や実証評価を加速させ、商品化を急ぎたい」と、開発コミュニティの狙いを語っている。