日産自動車の海外向け高級車ブランド、インフィニティは9月29日、フランスで開幕したパリモーターショー16において、世界初の量産型可変圧縮比エンジン、「VC-T」を初公開した。
可変圧縮比技術は、走行状況やドライバーによるインプット情報に合わせて、ピストンの上死点の位置をシームレスに変化させることができる最新のマルチリンクシステムを活用。最適な可変圧縮比に素早く変化する。また、圧縮比は8:1(高性能)から14:1(高効率)の間で、自在に変えることができる。
VC-T(Tはターボの略)を導入した2リットル直列4気筒ガソリンターボエンジンは、最大出力272ps、最大トルク39.8kgmを発生。インフィニティによると、6気筒ガソリンエンジン並みのパフォーマンスと、それ以上の効率性を実現しているという。
また、4気筒のVC-Tエンジンは、ディーゼルエンジンなどの従来型内燃機関エンジンよりも騒音や振動が少なく、高出力のV6エンジンに比べ、軽量かつコンパクトという特徴も持つ。
インフィニティは、「この技術は、液体冷却や燃料噴射、触媒コンバータ、ターボ過給などの革新的なパワートレイン技術と同様、内燃機関エンジンの開発における大きな躍進を意味する。可変圧縮比エンジンは、パワー、効率性、排気など、今後のパワートレインを評価する新たなベンチマークとなるだろう」と述べている。