ドイツSAPと日本電信電話(NTT)は、協業を強化すると発表した。第1弾として、安全運転管理を支援するIoTソリューションを開発した。
SAPとNTTは、今回の協業強化に伴って「共同イノベーション」「共同ソリューション販売」「グローバルリファレンス」の3つの柱で、グローバルビジネスを強化する。
第1弾の取り組みとして、公共交通機関や運輸業に対して、安心・安全で、先進的な運行管理を実現するためのソリューションを提供する。具体的には、SAPが持つ自動車の挙動収集分析アプリケーション「CTS」と、NTTが東レと共同開発した、着用するだけで心拍数などの生体情報を取得できる機能素材「ヒトエ」を組み合わせたソリューションを開発した。
運転者が身に着けた「ヒトエ」から、心拍数などの生体情報をリアルタイムに取得し、NTTグループの分析基盤の上で疲労度などについて分析する。これらの運転手のデータと、ドライブレコーダーやデジタルタコグラフなどの運転挙動のデータを、SAP HANA Cloud Platform上の「CTS」で総合的に分析し、事故を未然に防ぐための対応や、効率的な運行をサポートする。
今後、京福バス(福井県福井市)の協力を得て、10月から日本国内で実証実験を行い、2017年1月に提供を開始する予定。また、同ソリューションは、米国やヨーロッパでも展開していく予定。
この共同イノベーションは、米カリフォルニア州パロアルトでスタートし、NTT研究所とSAP Labs Chinaが中心になって進めてきた。
今後、SAPとNTTグループは、さらに多くの分野で新技術を用いた共同イノベーションに取り組むとともに、世界各国におけるマーケティングを推進することで、両社の協業を強化・拡大していく。