電子回路など電子部品を製造するうえで不可欠な「はんだ」。日本スペリア(本社・大阪府吹田市)はそのはんだで画期的なものを開発し、人気を呼んでいる。
製品名は「ボビンレスはんだ」。通常のはんだはボビン(軸)にはんだが巻き付けてあり、使い切るとボビンが残りゴミとなってしまう。企業によっては、その量が1t以上にもなることもあるそうで、その処分費用も馬鹿にならない。
しかし、ボビンレスはんだは名前の通りボビンがないので、ゴミが発生しない。しかも、これまでのはんだと違う使い方ができるのだ。
「これまでのはんだは外側から使っていきますが、このボビンレスはんだは内側から使うことができるのです。そのことで、ケースに入れて吊して使うことができ、非常に使いやすく、作業効率も大幅にアップします」と同社関係者は説明する。
一見すると、ただ単にボビンを抜いただけのようで、誰でも真似ができそうだが、通常の巻き方だと、ボビンを抜くと形が崩れてしまうのだ。「巻き方に秘密があり、おそらく他社にはできないでしょう。非常に評判がよく、これからこのボビンレスはんだに替える企業が続々と出てくると思います」と同社関係者は自信満々に話す。価格はこれまでのはんだと同じだ。