パテント・リザルトは、独自に分類したゴム製品業界の企業を対象に、2015年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された件数を企業別に集計した「ゴム製品業界 他社牽制力ランキング2015」をまとめた。
この集計により、直近の技術開発において各社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになる。集計の結果、2015年に最も引用された企業はブリヂストンの1244件、次いで横浜ゴムの711件、住友ゴム工業の601件。トップ3は前年調査と同じ順となった。
1位ブリヂストンの最も引用された特許は、「低ヒステリシスなゴムの調製」に関する特許で、後発の特許10件の審査過程で拒絶理由として引用されており、企業別には横浜ゴムの8件、KJケミカルズ、ARKEMA FRANCEの各1件となっている。次いで「低発熱性および耐摩耗性に優れているタイヤ」に関する特許が、後発特許8件の審査過程において拒絶理由として引用されている。2015年にブリヂストンの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は住友ゴム工業の180件、次いで、横浜ゴムの130件、MICHELINの62件となっている。
2位横浜ゴムの最も引用された特許は、昨年に引き続き「製造コストを低減し、耐久性の向上を図ったタイヤ」に関する特許で、後発の特許14件の審査過程で拒絶理由として引用されており、14件は全てブリヂストンの特許となっている。このほかには「接地面圧の均一化を可能にした非空気式タイヤ」に関する特許や「タイヤ補強用スチールコード」に関する特許などが引用された件数の多い特許として挙げられる。2015年に、横浜ゴムの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はブリヂストンの225件、次いで、住友ゴム工業の105件となっている。
3位住友ゴムの最も引用された特許は、「耐久性、乗心地性、操縦安定性の向上を図ったタイヤ」に関する特許で、後発の特許12件の審査過程で拒絶理由として引用されており、12件は全てブリヂストン。このほかには「重荷重用空気入りタイヤ」などが引用された件数の多い特許として挙げられる。2015年に、住友ゴム工業の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はブリヂストンの222件、次いで横浜ゴムの79件となっている。