ピレリはフラッグシップタイヤである『P-ZERO』シリーズを発表した。「シリーズ」と書いたのは、新型はP-ZEROという名前の下、3つのモデルが用意されているからだ。
1つ目は、スポーツ性の高いモデルをターゲットとしたタイヤで、ダイナミックなスポーツ志向の性能を満たすため、ランド比(トレッド面における溝面積と接地面の面積比率≒シー・ランド比)を大きくとり、接地面積を広く取ったトレッドパターンを持つモデル。
2つ目は高い快適性を重視したサルーン用で、路面からの衝撃を吸収するため深い溝をショルダー部に配置したトレッドパターンを持つモデル。
3つ目はレーシングタイヤにおけるスリックタイヤのような、シリーズ中最もアグレッシブなモデル=P-ZERO CORSA(コルサ)。コルサのみネーミングされているが他の2つのモデルに名前はない。
これら3種類のP-ZEROは、今回のデビューに際して、60車種のホモロゲ―ションを取得。ピレリによれば、テーラーメードのようにそのクルマに合わせたP-ZEROを開発するといっており、OE(オリジナル・エクイップメント≒純正採用)ホモロゲーションに力を入れた戦略を取っている。
またメーカーの多様なオーダーに応えるため、様々な技術が用意されている。ランフラットタイヤや、タイヤ裏側にスポンジを張って静粛性を高めるPNCS(ピレリ・ノイズ・キャンセリング・システム)、シール材をタイヤ裏側に塗ったノーパンクタイヤ≒シールインサイド等も用意されている。このほか、ビードワイヤーも3種類用意されていて、クルマにキャラクターに合わせて使い分けている。
共通したなタイヤ構造としては、タイヤの接地面をよりフラットにすることで均等な摩耗を実現し、ロングライフ化が図られている。