宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、金星探査機「あかつき」が4月中旬ごろに実施する定常観測移行に先だって、軌道修正制御を実施した。
軌道修正は、今後の機体の耐久性を向上するとともに、これによって観測期間を約800日から約2000日に延ばせると見込まれることから実施した。
「あかつき」が搭載しているバッテリーの駆動時間以上金星の陰に入ってしまうと、電力を得られなくなり、搭載機器に影響がでる。金星から最も遠いところ(遠金点)で金星の陰に入ると、遠金点では「あかつき」の軌道速度が遅いため、陰にいる期間が数時間に及び、バッテリーの駆動時間を超える。「あかつき」の軌道を修正することで、陰に入るタイミングをずらし、遠金点近傍を通過する期間、金星の陰に入らないよう調整するのが目的。
軌道修正のための姿勢制御用エンジン噴射時間は、約15秒で、トップ側4基を使用した。
軌道修正後のデータ解析の結果、計画通りに実行されたことを確認した。