20日、岡山国際サーキットでのSUPER GT公式テストが2日目(最終日)を迎えた。前日に続き、この日もGT500クラスのベストタイム上位はレクサス勢とブリヂストン勢が占めている。
午前午後ともドライコンディションだった2日目。この日は午前のセッションで一日の総合ベストとなるタイムを記録しているマシンが多かったが、GT500クラスではマシン的にはレクサスRC F、タイヤ的にはブリヂストン(BS)が前日に続いて上位占拠の状況を維持した。午前午後とも、それぞれのトップ6はBS装着の5台のレクサスRC Fと1台の日産GT-Rによって構成されている。
2日目のGT500クラス午前午後総合のベストタイム上位は以下の通り。
1位 #37 レクサスRC F(J.ロシター&平川亮/BS)1分18秒918
2位 #6 レクサスRC F(大嶋和也&A.カルダレッリ/BS)1分19秒010
3位 #12 日産GT-R(安田裕信&J-P.デ・オリベイラ/BS)1分19秒397
4位 #36 レクサスRC F(伊藤大輔&N.キャシディ/BS)1分19秒424
5位 #39 レクサスRC F(H.コバライネン&平手晃平/BS)1分19秒498
6位 #38 レクサスRC F(立川祐路&石浦宏明/BS)1分19秒650
7位 #24 日産GT-R(佐々木大樹&柳田真孝/ヨコハマ=YH)1分19秒876
8位 #100 ホンダNSX(山本尚貴&伊沢拓也/BS)1分20秒026
総合ベストは昨年の開幕戦岡山で勝っている#37 KeePer TOM'S RC F(ロシター&平川)がマークした(昨年優勝時のドライバーは平川とカルダレッリ)。
平川のコメント
「僕たちの37号車だけでなく、レクサス勢は全車好調でしたね。冬の間にエンジンはもちろんですが、いろいろと(厳しくなった車両規定で)限られたなか、足回りなどをアップデートしてくれたのがうまく機能した結果だと思います。タイヤの進化も大きいと思います。レクサス勢だけでなくライバル車種もBSを装着したマシンが速かったですしね。
(今回のテストを見る限り)4月の開幕戦は予選もレースも僅差の戦いになると思います。去年も勝っているので、(勝てば)連勝だね、と言ってくれる人もいますが、それを必要以上に意識はしませんね(※ちなみに37号車としては開幕戦岡山3連勝がかかる)。
正直言って、開幕戦で無理してまで勝とうとは思っていません。もちろん勝ちを狙っていくんですけど、リスクを背負ってまで、たとえばレクサス同士でガチガチ当たりながらでも(勝つ)とは考えていない、という意味です。目標はやはりチャンピオン。ここ2年続けてライバル(メーカー)に奪われているので、何としても今年はタイトルを(レクサスが)取り返したいですからね」。
GT-R&MIに連覇を許しているRC F&BSが本格的に反撃態勢を整えつつあるとしたら、今季のGT500は一層面白くなる。そこにハイブリッド非搭載となったNSXが絡み、GT-R勢のなかでも展開されるタイヤ戦争がさらに激しくなれば、例年以上に毎戦、予測不可能な展開が起きることだろう。
GT300クラスでは、ランボルギーニの話題のニューカー「HURACAN GT3」が2日目のトップタイムを記録。GT300で長くランボルギーニ車を走らせているJLOCチームの#88 マネパ ランボルギーニ GT3(織戸学&平峰一貴&青木孝行/YH)が1分26秒045を午前にマークした。2番手タイムはマザーシャシー使用車の#18 UPGARAGE BANDOH 86(中山友貴&山田真之亮/YH)。3番手にはメルセデスの新車、#11 GAINER TANAX AMG GT3(平中克幸&B.ビルドハイム/ダンロップ=DL)がつけている。
4~6番手には、前日も上位だったマシンが並んだ。#2 シンティアム・アップル・ロータス(高橋一穂&加藤寛規/YH)、#61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人&山内英輝/DL)、#3 B-MAX NDDP GT-R(星野一樹&J.マーデンボロー/YH)といった面々だが、いずれにしても、出自の違う多種多彩なマシンが競うGT300らしい図式の上位タイム序列となっており、これがこれから実戦でどう変化していくのか、実に興味深いところだ。
SUPER GTは次週末、3月26~27日にも富士スピードウェイで公式テストを実施。そして4月9~10日に岡山での開幕戦を迎えることになる。