全世界のアウディディーラーが技術を競う「Audi Twin Cup」。その2016年日本代表を選ぶジャパンファイナルでは、サービスと技術の頂点が決まったほか、自動車整備などを学ぶ専門学校生などが参加した。同社の人材確保に向けた取り組みのひとつだ。
アウディジャパンアフターセールス本部部長の伊藤茂雄氏は、「自動車専関連の専門学校を卒業する人たちのなかでも、メカニックを志望する人の数が減少している。その少ない志望者のなかの9割が、国産メーカー・国産ディーラーのメカニックに就いてしまう。輸入車メーカー・ディーラーにとってメカニックの人材確保は課題であるいっぽうで、学生たちは建機建材メーカーに流れている。その理由のひとつに、土曜日曜が休めることが大きいといわれている」と話していた。
「アウディをはじめ、輸入車メーカーや輸入車系販売店のことを知らない先生は、学生たちを国産メーカーにそのまま紹介してしまう傾向にある。今回、46名の学生がこの競技を見にきたが、これからはさらに、専門学校などと協力しあって人材確保に取り組んでいく」。
同社ディーラーには600人ほどのメカニックが活躍しているが、そのなかの3分の1ほどが「シニアマイスター」で、新たな若手スタッフの確保が求められているという。
同社代表取締役の齋藤徹氏は、「こうした競技で切磋琢磨するというのはすごく大事。恒例化して、現場スタッフの張り合いにもなっている。毎日ガレージにいると、自分のスキルアップも確認できない。勝ち負け、泣き笑いがあって、負けた人は『悔しい』とまた発奮している。アウディには、カスタマーアシスタント、つまり店舗の顔である女性スタッフのコンテストも行っている」とも話していた。