富士通は11日、東京ビッグサイトで開催中の「FOOD TABLE in JAPAN 2016」で、手のひら静脈認証技術を取り入れたカードレス決済システムの展示を行った。
これは、15年10月にJCBと共同で構築したもの。手のひら静脈情報をカード情報に紐づける形で登録することで、カードを携帯しなくてもクレジットでの決済が可能となる。他人受入率0.00008%以下という認証精度と、指紋などと違って濡れても形状が変わらないことも利点の一つだ。
会場では実際にレジを設置し、手のひら静脈認証のデモが行われた。タブレット上のPOSレジアプリで会計操作を行い、センサーに手のひらをかざすと、紐づけられたカードを一覧で表示。後は使用するカードを選ぶだけで精算が完了する。
従来は財布に入るカードに限りがあるため、そこに選ばれないことが機会損失の原因となっていた。しかし、同システムでは画面上に登録したカードが一覧表示されるので、必ず利用者の選択肢の一つに入ることができる。
なお、端末の設置費用を誰がどのように負担するかについては、現在JCBでもビジネスモデルを模索中だという。イメージしやすいのはクレジットカード決済端末と一体化させて、従来のように店が購入する形だろう。システム構成に含まれるタブレットは、デジタルサイネージとしても機能させられるので、店側にもメリットのある仕組みとなる。