【GARMIN VIRB-J XE インプレ後編】動画&OBDデータで実現する、クルマの新しい楽しみ方

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ヘルメットにカメラを固定してカートの走行を撮影。夕暮れ時だったがブレずに撮影できた。
  • ヘルメットにカメラを固定してカートの走行を撮影。夕暮れ時だったがブレずに撮影できた。
  • 走行したコースをGoogleマップに重ねて表示することもできる。これでサーキットのライン取りも確認できるか? と思ったが、それは無理だった。GPSによる測位を1秒に10回くらい実行すれば精度が上がるはずなので、改良してほしいところだ。
  • GARMIN VIRB-J XE
  • いかにもGARMINらしいデザイン。アクションカメラは白やシルバーなど派手な色が多いが、プロの使う撮影機材はすべて黒いことからも分かるように、アクションカメラも黒くするのが正解だ。
  • 本体右は電極があり、専用のケーブルを取り付けて充電やパソコンへの接続を行う。
  • 上面にはディスプレイ、メニューボタン、パワーボタン、写真撮影ボタン、RECボタン(レバー)がある。
  • 前面の蓋をこのように開けることができる。ボディがハウジングを兼ねているような独特な構造だ。
  • 蓋を全開にするとこのようになる。本体から脱着するものはこの中に収納することで、防水性能を上げている。

GARMINが満を持して投入したアクションカメラ、『VIRB-J XE』。インプレの最終回では、本機の最大の特長である連携デバイスとのデータ統合機能「G-Metrix」を試してみた。OBD2からのデータを動画と組み合わせることで実現する新しいアクションカメラの楽しみ方を紹介したい。

◆サーキット走行でも安定した撮影が可能、ただしバッテリーライフには注意が必要

さらにテストを重ねるため、次は本機をサーキットに持ち込んでみた。まず自動車で走ったが、使用感は申し分なし。サーキットを走っている人なら、スキルアップのためにも自分のドライビングを録画したいと思うものだが、ほんの数年前までは高価なビデオカメラが必要で、取り付け場所はロールケージなどに限られていた。しかも、画角が狭く、ブレの激しい映像しか撮れなかったものだ。それが今では、アクションカメラをウインドウに貼り付けるだけで申し分ない映像が撮れる。しかも、本機の場合はその映像にあらゆる走行データが含まれているのだからすごい。そのデータについては後で紹介しよう。

自動車のほかにカートでも走行した。レンタルカートだが子供向けではなくれっきとした競技用だ。レンタルカートにマウントを貼り付けるわけにもいかないので、バイクの時と同じようにヘルメットにカメラを装着したが、やはり使用感は申し分なし。自動車で走った時にも感心したことだが、本機はグローブをつけていても問題なく操作できる。とくに録画ボタンの使用感は最高だ。

一方、少し不満を感じたのがバッテリー。スペックとしては2時間の撮影が可能なのだが、実際にためしてみると、その半分程度しか撮影できない。カタログスペックはGPSや手ぶれ補正などをオフにした時の数値なのかもしれないが、いずれにしてもこれではちょっと心もとない。公道での撮影はバイクも含めてUSBで電源を接続したので問題なかったが、レンタルカートでヘルメットに装着した今回の撮影では、バッテリーに頼るほかない。事前にフル充電しておいたので問題なく撮影できたが、バッテリーに不安があると撮影時にストレスになってしまうものだ。本機のバッテリーはもちろん単体で販売されているが、充電器が販売されていない。これでは充電済み予備バッテリーを用意するのに手間がかかるので、ぜひバッテリーと充電器のセットを発売して欲しい。

◆専用ソフトで再生すればラップタイムも表示可能、十分に使えるレベルの動画編集機能も搭載

ちょっとくどくて恐縮だが、本機の最大の特徴はG-Metrix。そのインプレッションをここまで全くしていないが、それには訳がある。この機能は撮影時にさまざまなデータを取得しているのだが、その様子はユーザーには全くわからないのだ。撮影時のモニター画面にはデータは全く表示されないし、データを取得するためになにか特別な操作をするということもない。ただ普通に撮影するだけなので、G-Metrixを使っているという実感は全く無い。

取得したデータは生データの状態で動画ファイル内に埋め込まれ、パソコン用の専用再生・編集ソフトであるVIRB-Editに読み込むことで、初めてユーザーに分かるデータに変換され、画面に表示される。G-Metrixのシステムは撮影時にフル稼働しているが、ユーザーがその凄さを実感できるのは、再生時まで待たなければならないということだ。そして、再生してみてどうだったかというと、これはすごいし、楽しいし、非常に役に立つ。車好きな人には是非試して欲しい。

まず、普通に再生するだけでも、VIRB-Editの再生画面には走行ルート、加速度、速度、標高、勾配、走行距離、方位が表示される。加速度以外はすべてGPSの位置情報から算出したものだ。さらに、VIRB-Editにはデータを表示するためのテンプレートが用意されており、それを選ぶと表示されるデータの種類やデザインが変わる。OBD2スキャンツールを接続して撮影した動画であれば、エンジン回転数やアクセル開度、燃費、冷却水温なども表示でき、スピードメーターやタコメーターのビジュアルも自由に選ぶことができる。

◆OBD2連携も導入は容易、アウトドアデバイスのノウハウが凝縮

実は、筆者はOBD2スキャンツールについてはうまく機能するか心配していた。以前にOBD2スキャンツールとスマホを組み合わせて使ったことがあるが、なかなかペアリングできなかったり、やっとペアリングしても自動的に再接続しなかったりと、トラブルが少なくなかったのだ。しかし、本機ではそんな心配は全く必要なかった。簡単にペアリングできたし、その後も再接続に失敗したことは一度もない。

G-Metrixはラップタイムも計測することができ、サーキットのような周回コースを走った映像であれば、そのラップタイムまで表示される。実は、GARMINが得意とするランニングウォッチやサイクルコンピュータでは、こうした自動ラップ計測機能はかなり以前からある。速度やコース、標高などのデータも同様だ。つまり、本機はGARMINが長年にわたってトップブランドとして君臨してきたフィットネスデバイスのノウハウを注ぎ込んだアクションカメラだということだ。今のところ、こうした機能を持つアクションカメラはほかにない。クルマやバイクはもちろん、自転車やスキー、登山などのスポーツを愛する人に大きな支持を受けることは間違いないだろう。

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《山田正昭》

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