危険ドラック吸引後の運転で7人死傷、実刑判決

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2014年6月、東京都豊島区内の区道で危険ドラッグ吸引後に酩酊状態でクルマを運転し、7人を死傷させたとして危険運転致死傷の罪に問われた37歳の男に対する判決公判が15日、東京地裁で開かれた。裁判所は被告に対し、懲役8年の実刑を命じている。

問題の事故は2014年 6月24日の午後8時ごろ発生している。豊島区西池袋付近の区道(片側1車線の緩やかなカーブ)を走行していた乗用車が道路左側のガードレールに接触。その弾みで道路右側の歩道に乗り上げて暴走し、歩道内に設置された電話ボックスに衝突して停止するまでに歩行者7人を次々にはねた。

この事故でクルマの直撃を受けた中国籍を持つ30歳の女性が収容先の病院で死亡。3人が骨折などの重傷。3人が打撲などの軽傷を負った。クルマを運転していた埼玉県吉川市内に在住する37歳の男からは後に危険ドラッグの成分を検出。事故当時は酩酊状態でクルマを運転していたことも判明し、検察は自動車運転死傷行為処罰法違反(危険運転致死傷)罪で起訴していた。

これまでの公判で被告側は「試しに使った程度で、運転に支障が出るという認識はなかった」と主張してきたが、15日に開かれた判決公判で、東京地裁の安東章裁判長は「被告は危険ドラッグを常習的に使用しており、使用することで生じる重い身体症状は認識していた」として、この主張を退けた。

その上で裁判長は「危険ドラックを吸引した場合、運転にも支障を生じさせるという認識を被告は有していたが、多幸感を得る目的で安易に使用した」と指摘。「吸引後にクルマを暴走させた極めて悪質な犯行であり、結果も重大。情状を酌量する余地もない」として、被告に対して懲役8年の実刑判決を言い渡している。

《石田真一》

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