フォルクスワーゲングループが排出ガス試験を不正にクリアする目的で、違法なソフトウェアを一部ディーゼル車に装着していた問題。この問題が、傘下のポルシェにも拡大した。これは11月2日、米国EPA(環境保護局)が明らかにしたもの。「ポルシェ『カイエン』など、フォルクスワーゲングループの3.0リットルV型6気筒ターボディーゼル搭載車でも、違法なディフィート・デバイスが見つかった」と発表している。この問題は9月18日、米国EPAの発表で発覚。違法なソフトウェアが装着されていたのは、2.0リットル直列4気筒ターボディーゼル「TDI」搭載車。米国ではフォルクスワーゲン『ジェッタ』、『ザ・ビートル』、『ゴルフ』、『パサート』、そしてアウディ『A3』。米国で販売されたおよそ48万2000台が該当するとしていた。今回のEPAの発表では、2.0リットル直4TDIだけでなく、3.0リットルV6TDIでも、不正が行われていたことになる。この3.0V6TDIは、米国では2014年モデルのフォルクスワーゲン『トゥアレグ』をはじめ、2015年モデルのポルシェカイエン、2016年モデルのアウディ『A6クワトロ』『A7クワトロ』『A8』『A8L』『Q5』と、フォルクスワーゲングループの中大型車に搭載。EPAは、3.0V6TDI搭載車の排出ガスを測定。その結果、「排出ガス中のNOx(窒素酸化物)の量は、米国基準の最大で9倍に達していた」と説明している。