一般人は対象にしていない展示会、テロ対策特殊装備展とは

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暗視スコープのように他の展示会では見られないようなモノが並ぶ。
  • 暗視スコープのように他の展示会では見られないようなモノが並ぶ。
  • 東京ビッグサイトで開催された二つの展示会。「危機管理産業展(RISCON)2015」は一般向けだが、「テロ対策特殊装備展(SEECAT)」は一般人を対象とせず、法執行機関従事者に絞った展示会。
  • 防弾チョッキ。頚部にフロートが仕込んであり、海に落ちても浮くようになっている。
  • こちらは警備犬用の防弾チョッキ。訓練費用が高額となるため、犬にも着せて守る。
  • イスラエルの航空機メーカーIAIは無人偵察機を提案。相手は防衛省か。
  • ドローン用の検知装置。電波による妨害機能も有しているが、日本国内では法制の問題で使えないという。
  • 内蔵のマイクとカメラで空中のドローンを追尾する。
  • 様々な種類の有刺鉄線を比較・検討することもできる。フェンスに設置するセンサー類も展示。

「危機管理産業展(RISCON)2015」と一緒に東京ビッグサイトで開催されているもうひとつの展示会、それが「テロ対策特殊装備展(SEECAT)」だ。前者は一般向けだが、後者は来場対象者を警察や自衛隊、警備関係者に絞ったものとなる。

SEECATは主催側が「日本で唯一のテロ対策装備品を扱う展示会」と称するとおり、展示されている物品は他の展示会では見ることができないような直接的なものが多い。海外の展示会とは異なり、銃器は扱われていないものの、防弾チョッキや暗視スコープなどの個人装備品は普通に置かれている。

来場対象者は警察や自衛隊、警備会社の担当者が中心で、事前申請を行い、主催側の審査をクリアしないと会場内に入ることすらできない。「それ自体が展示物のひとつ」でもあるが、ゲートにはX線検査装置や金属探知機、液体探知機などが設置され、空港と同レベルのセキュリティが確保されている。取材者についても同様で、事前審査をクリアして会場内に入ることができたとしても「展示物の撮影が許可されない、モノについての説明も聞くことができない」といった状態に。出展する側としては「モノが必要な人にだけわかればいいので、取材であっても詳細を説明する必要はない」といった感じだろうか。質問も笑顔でスルーされることが多かった。

出展者からは撮影も許されず、説明も聞くことはできなかったが、展示されている装備品には「島嶼防衛を主眼に置いたもの」が目立っていたように思えた。防衛省の装備品調達も島嶼防衛にシフトしているので、自衛隊相手のビジネスがそうなってしまうのは当然なのかもしれない。

《石田真一》

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