古河電工グループの古河ASは、自動車用ワイヤハーネス(W/H)のアルミ電線に適用する防食端子「α端子シリーズ」の開発に成功し、本格量産を開始したと発表した。
近年、自動車の軽量化と銅資源の枯渇・価格高騰を背景に、W/Hのアルミニウム化に注目が集まっている。しかし、アルミW/Hは端子部分への異種金属間の腐食対策が必要不可欠で、製造コストアップや専用コネクタハウジングが必要なため汎用性に欠けることなどが課題となっていた。
新開発の「α端子シリーズ」は、一般の端子同様、高速プレス機で成型した端子の圧着部を光ファイバレーザの溶接技術を用いて密閉した管構造にする。その後、W/H製造工程でアルミ電線を圧着すると同時に電線端部被覆をかしめることで、気密性の高い優れた防食構造を提供する。
この方法は、樹脂モールドや塗布など別工程が不要で、従来の電線圧着技術の応用で防食処理が完了できる。さらに既存のコネクタハウジングがそのまま使用できるため、従来の樹脂モールドや塗布方式に比べて、適用範囲が広く、大量生産に適した防食処理を実現する。