ブリヂストンは10月1日、東京・茅場町で「グアユール」ゴムを用いたタイヤ技術を発表。同社の執行役員 森田浩一氏、環境戦略企画ユニットリーダー 吉田裕人氏、中央研究所研究第3部 中山敦氏らが登壇し、キク科「グアユール」由来の天然ゴムを使用したタイヤを公開した。
一般的に、タイヤはチェーファー、ビード、カーカス、ベルトといった部分で天然ゴムが使われている。その原料のほとんどが「パラゴムノキ」という熱帯で栽培される樹木から抽出される。
樹液中にゴムが含有し、植林後4~6年で収穫、25~30年で再植林するパラゴムノキに対し、乾燥地で栽培されるグアユールは、3年周期という短期で栽培・収穫でき、植物全体にゴムを含有するというメリットがある。
グアユールの場合、植物体からゴム原材料へと加工するさいに、粉砕・抽出・木質除去・分離といった行程を経て、天然ゴムと樹脂に分けるという手間がかかるが、「天然ゴム資源の多様化に向けたグループ全体の取り組み」(同社)として、2020年代前半の実用化に向けて現在も研究・開発がすすめられている。
今回、公開されたタイヤは、前述の部分に加え、トレッドも含めた全体にわたり、グアユール由来天然ゴムが使用されたもの。同社は「パラゴムノキを用いた天然ゴム部分の99%を、このグアユール由来の天然ゴムに置き換えることができた」としている。