「運行管理者」資格試験、不手際で一部の受験生だけ時間延長

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国土交通省が法律で定める「運行管理者」の資格試験で、実施団体の「公益財団 運行管理者試験センター」(新宿区・永井正夫会長)が、一部の受験生に便宜を図っていたことが、受験生の訴えなどでわかった。

同センターが8月23日に実施した試験の東京会場、その一部の教室で、試験中に伝えなければならない途中経過時間を伝えないまま試験を終了し、解答用紙を回収した。

試験は全30問、90分のマークシート方式。その間に会場を退出ができる終了30分前と、終了5分前の2回、試験監督者が知らせることになっていた。

東京都市大学(世田谷区)の試験会場の中で、約80人が受験した時計がない会場で、その不手際が起きた。

「なんでいきなり回収なんですか。あと5分あるでしょう」など、解答用紙の回収中に多数の受験生が抗議したという。

ただ、その後の対応が、さらに受験生の不信感を煽った。

その後も10人程度が残り抗議を続けた。約2時間後に同センターは改めて試験の5分延長を決め、そのうちの3人が試験に臨んだ。このことについて同センターの業務マネージャーはこう話す。

「試験の延長ではなく、(解答用紙への)転記の時間を与えた」

このことについて、受験生はこう憤る。

「教室は一時騒然とした。監督者が後日全員に連絡しますと解散を促したので帰宅したが、合格発表後も何の音沙汰もない。粘った一部の受験生だけを特別扱いをするのは国家資格試験としておかしいのではないか」

貨物事業者やバスやタクシーなどの陸上旅客事業者は「運行管理者」の資格者を置くよう法律で定められている。その資格試験業務全般を同試験センターが請け負っている。

運行管理者には、運転者の体調管理や安全の自覚を促す役割を担う。運行上の安全運転の責任は運転者にあるが、例えば、多発した高速バスの事故後に国土交通省が意図した安全強化策などの徹底を事業所内で図る。

同日の試験は全国で約4万人が受験し、8600人が合格した。最近の合格率は20~30パーセントで、難しくなる傾向だという。

《中島みなみ》

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