ボッシュ株式会社の二輪事業部トップであるジェフ・リアッシュ常務執行役員は、7月30日、同社の栃木工場にて開いた「二輪事業説明会」において、今年中に新開発の二輪車専用エンジンコントロールユニット(ECU)を市場に投入することを発表した。
主に単気筒、2気筒エンジン向けのエンジンコントロールユニットで、リアッシュ氏によれば「比較的ローパワー向け」だという。
世界的に見て、手頃な価格・ランニングコストで利用できるモビリティ手段へのニーズが世界的に増し、それが二輪車の需要を押し上げているが、こうした成長を牽引するのはアジアで、2021年には世界の二輪車生産のほぼ90%を中国、インド、東南アジア諸国が占めると予想されている。
その生産の主力は、アジアの多くの地域で手軽な乗り物として広く愛用されている排気量が250cc以下の小型二輪車で、今回発表したボッシュの二輪車専用ECUは、ここでの需要を見込んだものだ。
現状ではまだ、アジアでは多くの二輪車のエンジンにシンプルなキャブレターが使われているが、同社が従来から提供する電子制御式燃料噴射システムを装備することで、条件と環境にもよるが燃費を最高16%向上させることができる。
ボッシュの新ユニットが普及すれば、ますます優れた経済性をユーザーにもたらすのはもちろん、排出ガス削減に力を入れたい中国やインドといった国家レベルでも貢献度が増すはず。期待したい。