外国資金が証券市場から回避を続け、また米国の非農業分野の雇用が改善したことから、リンギに下落圧力がかかり、8日の相場は1米ドル3.772リンギと、前日より1.4%下落。ザ・スターが報じた。
9年来の低水準になった。これを受けマレーシア国債は下がり(利回りが上昇)した。
米国の労働統計によると、非農業分野の雇用は5月に28万人に増加した。アナリストの予想を上回る数字で、マレーシア政府系金融機関MIDFによると、大幅賃上げをあいまって、米連邦準備制度理事会(FRB)は年内に利上げに踏み切る可能性が高まった。利上げに伴い米国への一段の資金流入が予想され、リンギには下落圧力がかかるという。
ブルサ・マレーシア(マレーシア証券取引所)における、先週末までの今年の外国人投資は、推定67億リンギ(約2,234億円)の売り越し。
中央銀行バンク・ネガラのゼティ総裁は、外国通信の取材に対し「リンギを含む新興市場通貨は外的環境が不透明だと影響を受ける。リンギ安は国内経済の基礎的条件を反映していない」と強調。リンギ安は一時的なものとの認識を示した。
アブドル・ワヒド首相府相は、為替相場は変動するが常との認識を示した。