大井川鐵道、北海道企業の参画で経営再建へ

鉄道 行政
大井川鐵道は北海道のホテル再生企業の支援を受けて経営再建を目指す。写真は大井川鐵道のSL列車で使用されているC11形蒸気機関車。
  • 大井川鐵道は北海道のホテル再生企業の支援を受けて経営再建を目指す。写真は大井川鐵道のSL列車で使用されているC11形蒸気機関車。
  • 大井川鐵道は北海道のホテル再生企業の支援を受けて経営再建を目指す。写真は井川線のED90形電気機関車。
  • 大井川鐵道の主な収入源となっているSL列車は高速ツアーバス規制で団体観光客が大幅に減少。地域輸送を担う普通列車も沿線人口の減少に伴い利用者が減少し続けている。写真は大井川本線の普通列車で使用されている21001系電車。
事業再生支援の官民ファンド「地域経済活性化支援機構」は5月29日、大井川鐵道と同社関連会社の大鉄商事の再生支援を決定したと発表した。ホテル再生事業を手掛けるエクリプス日高(北海道新ひだか町)が新たなスポンサーとなり、経営の再建を目指す。

大井川鐵道は、金谷(静岡県島田市)~千頭(川根本町)間39.5kmの大井川本線と千頭~井川(静岡市葵区)間25.5kmの井川線を運営する鉄道会社。大井川流域の森林資源輸送や電源開発を目的に設立され、1927年から1931年にかけて大井川本線が開業。戦後の1959年には中部電力専用鉄道を引き継ぐ形で井川線の旅客営業を開始した。1976年からは国鉄から譲り受けた蒸気機関車を使用したSL列車を運行している。

支援機構の発表などによると、沿線人口の減少や高齢化により定期利用者が減少。主な収入源となっていたSL列車も、大井川鐵道へのアクセス交通となっていた高速ツアーバスの規制により団体観光客が大幅に減少した。

この結果、乗客数はピーク時の2割程度まで低下。1日1kmの平均通過人員(旅客輸送密度)は662人(2012年度)まで落ち込んでおり、収益性が大幅に悪化している。こうした状況を受けて大井川鐵道と大鉄商事の2社は、地域経済活性化支援機構法に基づく再生支援を支援機構に申請。支援機構は「(大井川鐵道の)営業地域の主要部分には代替する公共交通機関がない」「(SL列車が)地域観光産業の中核」などとして、再生支援を決定した。

事業再生計画の概要によると、2社は3億円の普通株式をエクリプス日高に発行。これによりエクリプス日高は議決権の90%超を持つ。また、2社は現在の金融債務から負担可能な債務を除いた残額について、金融機関から債務免除を受ける予定。支援機構は取引先の金融機関などに対し、債権回収などの権利行使を行わないよう要請した。
《草町義和》

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