台湾の中信金控(CTBCファイナンシャル・ホールディング)傘下の中国信託商業銀行(CTBCバンク)は、マレーシア中央銀行バンク・ネガラよりクアラルンプール(KL)における駐在員事務所設置の認可を取得したと発表した。今年下期にも業務を開始する。南洋商報が報じた。
バンク・ネガラが台湾資本の銀行に業務ライセンスを発行するのは17年ぶり。外交窓口である駐マレーシア台北経済文化弁事処とマレーシア台湾商会連合総会は、金融手続きが簡素化されることで台湾からの投資が促進されると期待を示している。台湾系の金融機関では、兆豊銀行と国泰世華銀行が金融特別区であるラブアンに支店を開設しているが、マレーシア政府は2010年以降、日本や中国、インドネシアなど海外銀行7行にしか新規の支店開設を認めていない。
中国信託商業銀行は、駐在員事務所設置によってカギとなるマーケットであるマレーシア国内の情報収集が進み、東南アジア諸国連合(ASEAN)域内事業拡大に弾みがつくとしている。
マレーシア国内では電子メーカー大手の佳世達や製鉄の中鋼など台湾系企業1,750社が事業を行っており、台湾人約3万人が居留している。