青函トンネル走行中の特急で発煙トラブル

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青函トンネル内での発煙トラブルが発生した『スーパー白鳥』の789系。過電流によって配線が焦げて発煙したとみられている。
  • 青函トンネル内での発煙トラブルが発生した『スーパー白鳥』の789系。過電流によって配線が焦げて発煙したとみられている。
  • 乗客は青函トンネルの竜飛定点から地上に避難した(写真は2000年の竜飛定点)。
4月3日17時15分頃、海峡線の青函トンネルを走行していた特急列車から煙が上がり、トンネル内で非常停止した。この影響で臨時寝台特急『北斗星』や急行『はまなす』などが運休したが、現在は通常運行に戻っている。

JR北海道が4月4日に発表したところによると、発煙トラブルが発生したのは函館15時56分発の新青森行き特急『スーパー白鳥34号』。知内信号場~津軽今別間の青函トンネル内を走行中の17時15分頃、同列車の車掌が窓の外に火花が出ているのを確認したことから、竜飛定点の青森方1.2kmの地点で停止した。運転士が点検したところ白煙が上がっているのを発見し、消火活動を行った。

その後、17時37分から18時20分にかけて、乗客をトンネル内の避難施設(竜飛定点)に誘導。19時35分から地上への誘導を開始し、バスで青森市内に移動した。乗客124人と乗員5人が乗車していたが、このうち「気分が悪い」と申し出た乗客2人が救急車で病院に搬送された。

竜飛定点は竜飛崎(青森県外ヶ浜町)近くの海底に設けられた避難施設。竜飛崎の近くにある地上の青函トンネル記念館と斜坑で結ばれており、定点と記念館を結ぶケーブルカーも設置されている。海峡線の開業に先立ち、定点を青函トンネルの見学施設としても活用することが決まり、1988年3月13日の海峡線開業と同時に竜飛海底駅として開業した。同年7月9日からは、ケーブルカーも記念館の見学施設として営業運行を開始している。

竜飛海底駅は、海峡線と線路を共用することになる北海道新幹線の工事に伴い2014年3月14日付で廃止されたが、本来の目的である避難施設としての機能は維持されている。竜飛定点が避難ルートとして使用されたのは、今回が初めてとみられる。

当日の『スーパー白鳥34号』は789系電車6両編成で、煙が発生したのは5号車(モハ788-202)の青森方の台車だった。モハ788-202は2002年9月17日付で完成。鉄道営業法に基づく定期検査のうち、車両の解体を伴う最も大がかりな検査(全般検査)は2009年2月20日に行われている。走行装置など重要部の検査(重要部検査)は2013年12月19日、動作状況などのチェック(状態・機能検査)は今年1月22日に行われた。

JR北海道は今回の発煙トラブルについて「モーターに電気を送る配線(3本)に過電流が流れ、配線の被膜が焦げて発煙したものと考えられる」としつつ、詳細は調査中としている。
《草町義和》

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