一般道で約180km/hまで加速、衝突事故を起こした男に懲役10年

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2011年4月、神奈川県横浜市泉区内で乗用車を著しい速度超過状態で走行させ、対向車と衝突する事故で3人を死傷させたとして、危険運転致死傷などの罪に問われた24歳の男に対する裁判員裁判の判決公判が17日、横浜地裁で開かれた。裁判所は懲役10年の実刑を命じている。

問題の事故は2011年4月21日の午後10時35分ごろ発生している。横浜市泉区和泉町付近の市道(片側2車線の直線区間)で、交差点を右折しようとしていた乗用車に対し、対向車線をほ猛スピードで直進してきた乗用車が衝突。右折側のクルマは後方に弾き飛ばされ、後続車1台も巻き込まれるなど、車両3台が関係する多重衝突に発展。この事故で右折車を運転していた72歳の男性が死亡。後続車の2人も重軽傷を負った。

直進側のクルマを運転していた男(当時20歳)も顔面骨折の重傷を負ったが、男は事故直前にクルマを約180km/hまで加速。急ブレーキを掛けたことでコントロールを失い、衝突に至ったことが後に判明した。検察は「制御不能な高速度走行が事故につながった」と判断。男を危険運転致死傷などの罪で起訴していた。

17日に開かれた裁判員裁判の判決公判で、横浜地裁の伊名波宏仁裁判長は「被告は自分のクルマがどのぐらい速度を出せるのか試す目的で危険運転に及んだ」、「急ブレーキを掛けたことでコントロールを失い、そのまま衝突した」とし、衝突直前の速度を177km/hと認定した。

その上で裁判長は「無謀かつ危険な運転であり、自己中心的。酌むべき事情は無く、落ち度のない被害者を死傷させた結果も重大」として、被告に対して懲役10年の実刑判決を言い渡している。

《石田真一》

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