原油安を受けてマレーシア政府の歳入が減少し経済にマイナス影響があると懸念されているが、財務省が明らかにしたデータによるとマレーシアは2014年以降、原油や石油製品の純輸出国から純輸入国に転じていたことが判明した。
但し、マレーシアが多く輸出している液化天然ガス(LNG)の輸出入を除いた計算をベースとした場合、石油の純輸入国となるという。
財務省のモハメド・イルワン・セリガル・アブドラ事務次官によると、原油価格が安くなることで輸出収入が大幅に減少して経常赤字に繋がるとの懸念は誤りだという。
財務省が発表したデータによると、マレーシアの原油の輸出量は過去10年間で減少を続けている。2005年のマレーシアにおける原油生産量は1日に6万バレルだったが、2014年1-11月には同4万8,000バレルにまで減少している。昨年1-11月の原油輸出額は77億リンギで、石油製品の輸入額は89億リンギだった。輸入が輸出を12億リンギ上回り、マレーシアは石油の純輸入国となったことが明らかだ。
原油安を受けて多くのエコノミストやアナリストからはマレーシア経済への影響を懸念する声が出ていた。また、リンギ安も相まって貿易収支と経常収支両方が赤字となる「双子の赤字」になる可能性があるとの声も挙がっていた。