【スーパーフォーミュラ 最終戦】TOM’S勢のロッテラーと中嶋一貴がポールを分け合う

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ポイントトップの中嶋一貴は王座獲得に前進。
  • ポイントトップの中嶋一貴は王座獲得に前進。
  • 第1レースはロッテラー(右)、第2レースは中嶋一貴(左)がポールを獲得。
  • ロッテラーは僚友を逆転しての3年ぶり戴冠を目指す。
  • 決勝第1レースの予選トップ3、左から2位の一貴、ポールのロッテラー、3位の国本。
  • 決勝第2レースの予選トップ3、左から2位のデュバル、ポールの一貴、3位のロッテラー。
  • ポイント2位のオリベイラは予選4&6位、逆転王座に向けては厳しい状況に。
  • ポイントランク5位の石浦宏明にも逆転タイトルの可能性は残されている。
  • 近藤真彦監督率いるチームのロシターはポイントランク6位。彼までは王座獲得の可能性が残っている。

全日本選手権スーパーフォーミュラ(SF)最終戦「第13回JAF鈴鹿グランプリ」の公式予選が8日、三重県・鈴鹿サーキットで実施され、TOM’S勢のアンドレ・ロッテラーが決勝第1レースの、中嶋一貴が同第2レースのポールポジションをそれぞれ獲得した。

7人にドライバーズチャンピオン獲得の権利が残る状況で始まった、今季のSF最終第7戦。決勝2レース制での開催のため、第1、第2レースとも距離は長くなく、必然的に予選の重要度が増してくる。また、ノックアウト予選Q1の結果が第1レースの予選順位となり、Q3まで経た通常の結果が第2レースの予選順位となる方式で、それぞれのポールポジションにドライバーズポイント「1」が付与されることも予選重要度アップへとつながっている要素だ。

ドライコンディションで実施された注目の予選では、すでにチーム部門タイトル獲得を決めているPETRONAS TEAM TOM’S(エンジンはトヨタ)が朝のフリー走行からの好調を持続した。Q1ではロッテラー(#36)と一貴(#37)がともに1分38秒085と、1000分の1秒まで同じタイムでトップ並立という珍事まで発生。ここでは規定により、先にタイムを出したロッテラーが第1レースのポールを獲得し、一貴が予選2位となっている。

そしてQ3では一貴が1分37秒507をマークして、ロイック・デュバル(#8 KYGNUS SUNOCO Team LeMans/トヨタ)とロッテラーを退け、第2レースのポールを獲得。TOM’S勢が両レースのポールを独占するかたちとなった。

ロッテラーと一貴が各1点を獲得したことで、予選終了時点での上位7人の獲得ポイント状況は下記のように変化している。

34点  中嶋一貴(#37 PETRONAS TEAM TOM’S)
29点  ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(#19 Lenovo TEAM IMPUL)
27.5点 アンドレ・ロッテラー(#36 PETRONAS TEAM TOM’S)
26.5点 ロイック・デュバル(#8 KYGNUS SUNOCO Team LeMans)
23点  石浦宏明(#38 P.MU/CERUMO・INGING)
20.5点 ジェームス・ロシター(#3 KONDO RACING)
17点  国本雄資(#39 P.MU/CERUMO・INGING)
※搭載エンジンは全車トヨタ

今回の決勝結果に対して与えられるドライバーズポイントは、第1、第2レースとも1~8位に8-4-3-2.5-2-1.5-1-0.5点(優勝者への最終戦ボーナス含む)。よって、決勝日には最大16点獲得できるわけだが、国本はトップとの差が17点に開いてしまったため、王座獲得の可能性が消滅した。また、石浦は予選を含めての18点フルマークが自力王座獲得の前提だったため、この時点で戴冠には他力が必要となることが確定している。

トップの一貴から、オリベイラ、ロッテラー、デュバルまでの4人は決勝日に自力王座の可能性を残しており、展開次第では石浦とロシターにもチャンスありという状況で2014年のSFは明日の最終決戦を迎えるが、タイトル候補6人の決勝グリッドは下記のようになっている(現時点で考えられるグリッド降格ペナルティを反映した非公式なもの。正式グリッドは決勝日に発表)。

中嶋一貴  第1:2位/第2:PP
オリベイラ 第1:4位/第2:6位
ロッテラー 第1:PP /第2:3位
デュバル  第1:5位/第2:2位
石浦宏明  第1:6位/第2:5位
ロシター  第1:9位/第2:8位
(PP=ポールポジション)

グリッド状況と決勝レース距離等を総合的に考慮する限りにおいては、他力が必要な石浦とロシターの逆転はかなり難しくなったと言わざるを得ない。自力王座の権利があるオリベイラとデュバルにしても、第1レースのスタートで一貴の前に出るか背後に迫るかすれば逆転王座の可能性がある程度の現実味を帯びてくるが、やはり厳しいことは厳しいだろう。2レースとも最前列を確保したポイントリーダーの一貴が優位となったことは確かで、現実的な逆転候補といえるのは僚友ロッテラーだけ、かもしれない。TOM'S勢の一騎討ちか。ただ、今季のスタートの安定感では一貴がロッテラーを上まわっており、一貴が2年ぶりの王座にかなり近づいた、と見ることもできる予選結果ではある。

中嶋一貴「Q3に関してはマシンのパフォーマンスを100パーセント出し切ることができたと思いますので、満足しています。Q1は1000分の1秒まで同じということで、残念でした。自分のミスもあったのでちょっと悔いは残りますが、それでも最前列ですから、スタートさえ良ければ前にいけると思います。明日は天気も分からないですしね。雨のスタートになるとギャンブルみたいなところも出てきますけど、とにかくその(スタートで前に出る)つもりでいきます」

一貴は第1レースで優勝すれば、ロッテラーたちの結果に関係なく、その時点で自力でのタイトル獲得が決まる(一貴が第1レース2位の場合でも、ライバルたちの順位次第では王座決定のケースがあり得る)。

決勝日の明日(9日)は20周の第1レースが10時10分に、28周の第2レースが15時に、それぞれフォーメーションラップ開始予定(第2レースはドライタイヤでスタートした場合に4輪タイヤ交換1回が義務づけ)。一貴も言うように天候微妙との観測もあるなか、チャンピオンの座をかけた今季ラストバトルが展開される。

《遠藤俊幸》

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