BASFは10月23日、エンジニアリングプラスチックイノベーションセンター(神奈川県横浜市)に併設する形で、同社が扱う素材とデザインに関する用途開発の促進や、アイディアを提供するデザインプラットフォーム、「デザインファブリーク東京」を開設した。
BASFジャパン副社長執行役員の瀬畑一茂氏によると、「エンジニアリングプラスチックイノベーションセンターは、2012年にエンジニアリングプラスチックという素材や機能面から、日本のお客様と市場に対してイノベーションを発信する活動を行っている」と説明。
そこに併設されたデザインファブリーク東京は、「これまでは、機能や材料面からお客様にアプローチをしていた。しかし、日本市場が成熟してきている中で、デザインに対しての価値が重くなってきている。そこで、化学メーカーであり、素材メーカーであるBASFとして、どのような価値を創出することができるかを主眼に置いて開設した」と話す。
このデザインファブリークはドイツに次いで日本は2番目の拠点だ。瀬畑氏は、「“fabrik”とはドイツ語で工房を意味し、小さな空間でもあることからデザイン工房という位置づけだ。ここで、日本のお客様やデザイナーと連携を取りながら、どのように価値を創造していくかを働きかけていきたい」という。
BASFは現在、化学品、高性能製品、機能性材料、農業関連製品、石油・ガスという切り口で、事業部を運営している。「このアプローチでは、それぞれの製品、素材としての機能をどのように売っていくかという活動が中心だ」と瀬畑氏。
そこで日本では、「2009年からこの活動に加え、お客様や市場、産業のニーズをしっかりととらえて活動しようと、大きく5つのコアの産業(自動車、建設、電気・電子分野、包装材、医薬品)を設定し、そこに対して事業部を横断する形で、アプローチを続けている」とし、デザインファブリーク東京も同様に、「初期段階は自動車を中心に、日本の持つ価値、市場における価値観の変化をしっかりととらえ、発信していく」と語った。