車載用CFRP世界需要予測、2025年に2845億円規模にまで拡大…矢野経済研究所

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矢野経済研究所は、車載用CFRP(炭素繊維強化プラスチック)の世界需要予測調査を実施し、その結果をまとめた。

調査結果によると、2016年頃までは、BMWの電気自動車(EV)への本格採用と、その他企業で、骨格の一部、外板・内板の一部に採用されるなど、CFRP需要量は増加すると予測する。特に事故で破損した場合、比較的取り換えが安易なボンネットやルーフなどのパーツでの採用可能性が高い。1点ものの採用であっても、生産規模の大きな車種に採用されれば、それだけで需要量は急増する。

2017年~2019年は、成形時間短縮、材料コストの低減に伴ない成形価格が低下することで、BMW以外でもCFRPを主要骨格に採用したEVが登場する可能性を指摘する。外板・内板でも生産台数の少ない車種での採用から、生産台数の大きな車種へとCFRP採用が拡大していく見込み。

2019年頃には、CFRTP成形品が登場すると予想する。まず負荷の小さい内板などで採用が本格化し、それら実績により外板などへの採用へと拡大していくと推測する。

さらに、成形時間の短縮、材料コストの低減、歩留り向上に伴い、CFRTS成形品価格が2013年時点での5000~6000円/kgから、2025年頃には2000円~3000円/kgへと低下していくと推測する。これにより、車体構造部にCFRPを採用した自動車が複数車種登場することが予想される。また、一部分の外板・内板での採用にとどまっていたCFRPが複数個所へ使用されていく見込み。

市場規模予測(メーカー出荷金額ベース)では、2013年のCFRP成形品が113億円、一次原料である炭素繊維が46億円、樹脂材料が12億円で、車載用CFRPの産業の規模としては171億円。

2020年にはCFRP成形品が1020億円、炭素繊維が418億円、樹脂材料が120億円の合計1558億円を予測する。2025年には、CFRP成形品が1949億円、炭素繊維が626億円、樹脂材料が270億円の内訳で産業規模としては2845億円にまで拡大していくと予測する。

《レスポンス編集部》

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