【新聞ウォッチ】日産の久米豊さんをしのぶ、幻の焼酎「百年の孤独」を嗜む"怖い人"

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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。


2014年9月18日付

●ソニー初の無配、スマホ不振、赤字拡大2300億円、3月期予想(読売・1面)

●技術者魂「時代の車」生む、久米豊さん、日米摩擦解消に尽力(読売・10面)

●東海道新幹線、23年ぶり加速、最高285キロ、「曲がる」「止まる」進化(朝日・39面)

●円安一時107円台後半(産経・11面)

●錦織圭選手を広告塔に起用、ジャガー(日経・11面)

ひとくちコメント

日産自動車が仏ルノーの傘下に入り、まだ本社が東銀座の新橋演舞場と隣り合わせにあったころのことだった。「ぼくが玄関前に立つと、ガードマンが『入り口はあちらです』と制止するんだよね」と久米豊さん。「俺を誰だと思っているのか」と腹の中は煮え繰り返っていたことだろうが、恐らく、それ以後は「黙して語らず」で、古巣にも足を運ぶことはなかったようだ。

日産の社長、会長を務めた久米豊さんが亡くなった。もう30年も前のことだが、社長就任時には「新しい社風をつくって流れを変えよう」と訴え、企業理念の「お客様第一義」を唱えていたことを思い出す。

きょうの産経の「評伝」にも志賀俊之副会長が「怖い人だったが親分肌」としのんでいたが、東大のボート部で鍛えた体格は大正生まれの男性にしては大柄で迫力を感じた。航空原動機を学び、海軍で軍用機の製造・修理にも携わった根っからの技術屋だが、筆まめで文章力にも優れていた。志賀副会長が「怖い人」と評したのもある会合でのスピーチ原稿を下書きした時「気に入らない」と怒鳴られたこともあったからだろう。

読売にも「カメラが趣味」と記しているが、カメラマン同行のインタビューでは、レンズが気になるようで取材が終わると写真談義に花を咲かせていたこともしばしば。座間工場や様や吉原工場などの生産現場の経験も長いだけに部下と杯をかわす機会も多くアルコールも好きだった。

「シーマ現象」のバブル期の社長時代は宮崎の幻の焼酎「百年の孤独」を嗜んでいたが、1998年に相談役も退任後は公の場に顔を出すことはなく別の意味での「孤独」をしみじみと味わっていたに違いない。合掌。
《福田俊之》

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