NASA 2017年の民間有人宇宙船開発にボーイングとスペース Xを選定

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国際宇宙ステーションに接続するCST-100のイメージ
  • 国際宇宙ステーションに接続するCST-100のイメージ
  • ボーイング社のCST-100
  • スペース X社の有人型ドラゴン宇宙船(ドラゴン V2)
9月16日、NASAは2017年以降に国際宇宙ステーションに宇宙飛行士を輸送する有人宇宙船開発企業として、ボーイングとスペース・エクスプロレーション・テクノロジーズ:スペース Xの2社を選定した。

9月16日(日本時間9月17日朝5時)にフロリダ州ケネディ宇宙センターで行われた会見には、NASAのチャールズ・ボールデン長官と商業有人輸送計画CCtCAPのキャシー・リューダース プログラムマネージャ、ケネディ宇宙センターのボブ・カバナ所長、マイク・フィンクル宇宙飛行士が出席した。ボールデン長官は今回の選定は「容易な決定ではなかった」としながらも、オバマ政権の目標である、アメリカ国土内から宇宙飛行士を送り出す手段を再び実現する第一歩だと述べた。また「低軌道へのクルー輸送を商業宇宙船にゆだねることで、NASAは火星へ人を送るといったより野心的なミッションに専念することができる」とコメントしている。

選定された企業と今後の開発契約額は、宇宙船「CST-100」を開発するボーイングが42億ドル、宇宙船「Dragon有人型」を開発するスペース Xが26億円となった。カプセル型有人宇宙船を開発する2社に対し、スペースシャトルのような有翼型の有人宇宙船「ドリームチェイサー」を開発していたシエラネヴァダ社は、今回は選ばれなかった。

この契約内容では、ボーイング、スペース Xはそれぞれ最低1回、NASAの宇宙飛行士を搭乗させた国際宇宙ステーションへの実証フライトを行う。宇宙船のロケットへの搭載、軌道飛行、ISSへのドッキングなど各段階が設計通りに動作し、NASAからの認証を受けた後、2回から最大6回、ISSへクルー輸送ミッションを行う。宇宙船は、ISSに接続して緊急時の帰還船としての機能も提供するいう。

2社の契約額の差に関する詳細について、リューダース氏は詳細な説明を避けたが、開発プロセスではボーイングが先行している。ボーイングのCST-100はこの7月に最終設計審査(CDR)と安全性に関する審査のフェーズ2を終了している。スペース Xは今後の数カ月で、こうした審査を通過する必要がある。

ボーイングのCST-100はカプセル型の宇宙船で、最大7人までのクルーが搭乗できる。ケネディ宇宙センターから打ち上げられ、10回までの再使用が可能だ。ボーイングとロッキード・マーティンによるロケット合弁会社ULAが運用するアトラス Vロケットに搭載して打ち上げる予定で、射場での試験を2016年、無人試験飛行を2017年の前半、有人試験飛行を2017年中ごろに行う予定だ。

同じくケネディ宇宙センターから打ち上げられるドラゴン有人型(ドラゴン V2)も7人までのクルーが搭乗できる。8基の「スーパードラコ」エンジンを搭載し、基本的にはパラシュートを使わずにエンジンで制御しながら精密着陸が可能だとしている。大気圏再突入時の耐熱材などを再装填し、短期間で再打ち上げが可能だという。2015年には有人試験飛行を行うとしている。


《秋山 文野》

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