タイ政権争い、陰謀の実行犯逮捕…怪しすぎる黒装束

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2010年のバンコク占拠事件、兵士襲撃の「黒服」逮捕
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【タイ】タイ治安当局は11日、銃器不法所持などの容疑で男4人(24、33、39、45)と女1人(45)を逮捕し、2010年4月、バンコクでタクシン元首相派のデモ隊と治安部隊が衝突した際に兵士5人が殺害された事件との関連を調べていると発表した。

 容疑者の男4人は同日、バンコクで開かれた記者会見に、犯行当時と同じだという黒のシャツ、ズボン、腕にタクシン派のシンボルカラーである赤い布を巻いた格好で同席し、別の男から指示を受け、タクシン派デモ隊と治安部隊が衝突した際に、兵士を銃、手りゅう弾などで攻撃したことを認めた。襲撃前に互いに面識はなかったとしている。

 2010年の事件では、武装した「黒服」がタクシン派デモ隊に紛れ込んで兵士を襲撃し、事態をエスカレートさせたとみられている。ただ、これまで逮捕者はなく、正体は謎に包まれていた。デモを指揮したタクシン派団体UDD(通称、スアデーン=赤シャツ)は「黒服」への関与を否定している。

 タイでは2006年以降、地方住民、中低所得者が多いタクシン派と、特権階級、バンコクの中間層を中心とする反タクシン派の抗争が続き、政治、社会が混乱している。

 反タクシン派はタクシン氏を反王室の腐敗政治家と糾弾し、タクシン政権(2001―2006年)は2006年、特権階級の意向を受けた軍事クーデターで崩壊した。2007年末の民政移管選挙で発足したタクシン派政権も、反タクシン派デモ隊による首相府やバンコクの2空港の占拠で追い込まれ、2008年末、裁判所命令で「選挙違反」により政権を失った。

 劣勢に立たされたタクシン派は「特権階級が軍、裁判所を動かし、民主主義と法治をねじまげている」と主張し、2009年、2010年と反タクシン派政権打倒のデモを実施。2010年にはデモ隊と治安部隊の衝突で、91人が死亡、約2000人が負傷した。2011年の下院選ではタクシン派が再び勝利し、タクシン元首相の妹のインラク氏が首相に就任したが、インラク氏は今年5月7日、官僚人事をめぐる権力乱用を理由に、裁判所に事実上解任され、同月22日の軍事クーデターで政権が崩壊した。

2010年のバンコク占拠事件、兵士襲撃の「黒服」逮捕

《newsclip》