監視カメラ映像がより鮮明に…日立、“白とび”を防ぐ技術を開発

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補正した映像の例
  • 補正した映像の例

 日立製作所は11日、強い光の反射などにより映像の一部分が白とびする視認性の悪い環境下でも、瞬時にブレなく白とびを補正し、鮮明な映像を撮影できる撮像処理技術を開発したことを発表した。

 カメラでの撮影では、明るい被写体が映り込んだ場合、本来は影の部分も白くなってしまう、いわゆる「白とび」が発生する。白とびが起こる場合、通常は明るさを抑えるように露出調整を行うが、今度は他の部分に「黒つぶれ」が発生してしまう。この問題を解決するため、露出の異なる複数枚の映像を合成し1枚の映像を作成する“ハイダイナミックレンジ合成”技術もあるが、動きのある被写体ではブレが発生してしまう。

 今回日立は、映像の一部が白とびするような悪環境下でも瞬時に露出を補正し、動きのある被写体でもはっきりと見えるようにするカメラの撮像技術を開発した。白とびが起きないよう瞬時に露出を調整し、かつ従来のような合成処理を行うことなく補正できる。

 新技術では、映像全体の明るさの平均の測定と同時に、局所的な明るさの分布も測定し、映像内に明るい被写体が入ったと観測した場合には、露出をある一定量制御することで白とびを解消。突然明るい被写体が入った場合でも最大0.23秒の処理時間で鮮明な映像の撮影が可能となる。また、日立独自のアルゴリズムを用い、局所的に発生する白とびや黒つぶれ部分を鮮明に撮影する技術を開発した。

 これらの技術は、不審車両の追跡などに有効活用できるという。監視カメラや車載カメラ、ビデオカメラなどの広範囲な分野に対応しており、すでに、北米や欧州向けに提供している監視カメラモジュールの機能の1つとして加え、今月から販売を開始しているとのこと。

カメラの“白とび”を瞬時に補正する撮像技術、日立が開発

《冨岡晶@RBB TODAY》

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