広島駅南口再整備の基本方針まとまる…広電を高架化

鉄道 行政

広島市がまとめた基本方針による広島駅南口周辺のイメージ図。路面電車の広島駅~稲荷町間は現在の迂回ルートから駅前大橋を通るルートに変更し、このうち広島駅停留場(右)から駅前大橋付近(中央)までは高架軌道を走る。
  • 広島市がまとめた基本方針による広島駅南口周辺のイメージ図。路面電車の広島駅~稲荷町間は現在の迂回ルートから駅前大橋を通るルートに変更し、このうち広島駅停留場(右)から駅前大橋付近(中央)までは高架軌道を走る。
  • 広島駅南口から稲荷町方面を望む(基本方針イメージ図)。路面電車の軌道が途中から高架になっている姿が描かれている。
  • 広島駅南口から稲荷町方面を望む(2014年4月)。写真中央の分離帯に路面電車の高架軌道を設けることが想定されている。
  • 基本方針の計画平面図。現在の駅ビル敷地に入り込む形で路面電車の高架軌道と高架停留場を設け、その両側にバス乗り場やタクシー乗り場などを整備する。
  • 地上に設けられている現在の広島駅停留場。車両の処理能力が不足しているなどの問題を抱えている。
  • 基本方針による路面電車の走行ルート・運行系統再編図。広島駅~稲荷町~比治山町交差点間に駅前大橋ルートの軌道を新設し、迂回ルートとなっている現在の広島駅~猿猴橋町~的場町間は廃止する。
  • 猿猴橋町停留場付近を走る広電の路面電車。基本方針では駅前大橋ルートの整備に伴い広島駅~猿猴橋町~的場町間の軌道を廃止するものとしている。
広島市は9月2日、広島駅南口広場の再開発構想の基本方針を決めたと発表した。広場内にある路面電車の停留場を高架化するなどの改良を行い、2020年代前半の完成を目指す。

現在の南口広場には、広島電鉄(広電)の路面電車が迂回(うかい)ルートで乗り入れており、広電の広島駅停留場の周辺にはバス乗り場やタクシー乗り場などが設けられている。基本方針によると、広場内の各交通施設の規模が小さく、広島駅停留場も処理能力が不足していることから、ラッシュ時には広島駅停留場に入れない車両が「行列待ち」の状態になっている。また、広電の軌道が迂回ルートのため、広島駅~紙屋町・八丁堀地区間の所要時間が長く、定時性や速達性の確保が課題になっているという。

こうしたことから基本方針は、路面電車のルートを変更した上で広島駅停留場を高架化。JR広島駅南口のアッセ駅ビル敷地内に高架の停留場(乗車場4カ所・降車場4カ所)を設けるものとした。このほか、バス乗り場(22バース)とタクシー乗り場(乗車場3台・降車場4台・プール約63台)などを高架停留場の両脇に設ける。

これに伴い路面電車のルートも大幅に変更し、駅前大橋を通る広島駅~稲荷町~比治山町交差点間の軌道を新たに整備する。その一方、現在の迂回ルートのうち広島駅~猿猴橋町~的場町間の軌道を廃止する。

運行系統の再編も実施され、広島駅停留場と広島港・広電宮島口・江波の各停留場を結ぶ系統(いずれも紙屋町経由)は、広島駅~稲荷町間の走行ルートを新設の駅前大橋ルートに変更。広島駅~広島港(比治山下経由)間の系統も、広島駅~比治山町交差点間は新たに敷設する軌道を走る。このほか、段原一丁目~的場町~八丁堀~紙屋町東~皆実町六丁目~段原一丁目間を結ぶ循環ルートを新設する。

基本方針は今後、約4年かけて環境影響評価や都市計画決定、軌道法の手続きを進め、JR広島駅の自由通路が整備される2017年度頃から事業に着手。その後5~6年で完成させるものとしている。南口広場の再整備や軌道の新設・撤去を含む総事業費は約155億円を見込んでおり、JRは広場造成費の6分の1を負担。路面電車の高架橋や停留場などのインフラ部は広島市が負担し、レールや架線などは広電が国の補助制度を活用して整備する。
《草町義和》

編集部おすすめのニュース

特集