野党連合がワン・アジザ氏の単独指名を維持、スルタン王室の対応に注目…マレーシア

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人民正義党(PKR)を除名されたセランゴール州のカリド・イブラヒム州首相の後任問題で、同州与党である野党連合・人民同盟(PR)構成党、PKRは期限である3日、ワン・アジザ氏だけの名前を候補者として提出した。

PRで共闘する汎マレーシア・イスラム党(PAS)と民主行動党(DAP)も、最終的にPKRに同調してワン・アジザ氏の名前だけを提出した。一時はPASが3人の名前を提出したと報じられたが、PAS幹部が後に否定した。PR構成各党はスルタンから複数の候補者名を提出するよう要請されていたが、それを真っ向から否定した格好。スルタン王室の対応が注目される。

スルタン王室から何らかの文書がPKRに出されたとみられるが、PKRはこれに対するコメントを一旦はメディア発表したが後に撤回した。これまでのところスルタン王室から一般向けの正式なコメントは出されていない。

カリド氏は無所属となったままPASの一部の党員や根強いマレー人有権者からの支持を背景に居座っており、このままでは11月に開催される来年度の州予算審議にも影響がでる恐れがある。

PRと敵対する国民戦線(BN)やマレー保守派は、スルタンの指示を無視する態度をとるPKRとDAPを不敬罪にあたるとして攻撃の手を強めるとみられる。一方、PAS内ではカリド氏支持派が根強く、PR離脱論が渦巻いている。同じマレー系を母体とする与党第一党・統一マレー国民組織(UMNO)が秋波を送っており、PASの動向しだいでは政界再編につながる可能性もある。
伊藤 祐介

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