オランダの博物館から盗まれた隕石、何者かが返却する

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オランダ・ユトレヒトのゾンネブルグ・ミュージアム&オブザバトリーから盗まれたSerooskerke隕石と返却後に割れてしまっている隕石
  • オランダ・ユトレヒトのゾンネブルグ・ミュージアム&オブザバトリーから盗まれたSerooskerke隕石と返却後に割れてしまっている隕石

オランダ・ユトレヒトのゾンネブルグ・ミュージアム&オブザバトリーから8月18日に盗まれた「Serooskerken」隕石が22日、何者かによって付近のテニスコートに置かれていたことが判明した。

ゾンネンブルグ博物館天文台の発表によれば、8月19日の朝にSerooskerke隕石を含む数個の隕石の収蔵品と現金が盗まれていることがわかった。

Serooskerke隕石は、1925年にオランダ南西部のゼーラント州に落下した隕石で、オランダ国内で発見、収集された5つの隕石のひとつだ。Serooskerke隕石は、史上4番目に発見された小惑星「ベスタ」から来たと考えられている。ベスタはその内部に金属のコア、マントル、地殻が層構造になった、地球によく似た構造の小惑星だ。

NASAのドーン探査機による2011年の観測から、地殻の厚さは80km以上にもなることがわかった。また、ベスタの南極付近で過去に2回の大きな隕石衝突が起きたことがわかっており、飛び散った岩石が隕石として地球に飛来している。地球で見つかった隕石の5パーセントは、ベスタに由来するものだという。

返却されたSerooskerke隕石は残念ながらいくつかに割れているということだが、博物館はその化学的価値には変わりがないとしている。Serooskerke隕石の返却を祝い、ゾンネブルグ・ミュージアム&オブザバトリーで8月31日に無料展示を行うとのことだ。

《秋山 文野》

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