三井造船は、千葉事業所でリベリアのクリオ・マリン向け5万6000重量トン型ばら積み貨物運搬船「ノルド・トレジャー」を引渡した。
同船は、160隻を超える引き渡し実績を持つベストセラーの、5万6000トン型ハンディマックス・バルクキャリアー(三井56)の高い汎用性と、信頼性を踏襲しながら、推進効率と低燃費性能を高めるため、電子制御エンジンを採用した。船体形状も最適化した新船型「neo 56BC」の5番船となる。
4基のクレーンを装備した5ホールド(貨物艙)の汎用バルクキャリアーで、56BCの使い勝手を踏襲した。全長190メートル未満で、国内外の港湾に配慮した汎用性を確保した。石炭、鉄鉱石、小麦、大麦、大豆をはじめとした多様なバラ積み貨物に対応可能なほか、長尺物やホットコイルなどの半製品輸送も可能。
船首と船尾には、新開発の省エネ船型を採用し、平水中の抵抗推進特性に加え、波浪中の耐航性や操縦性にも配慮している。長さ、幅ともクラス最大級のハッチ開口を持つ。
主機関にはMARPOL NOx排出規制(Tier II)を達成した新型電子制御エンジンである、三井-MAN B&Wディーゼル機関6S50ME-B9.3を搭載し、幅広い出力域で低燃費を実現した。SOx排出規制強化にも配慮し、ECA(排出指定海域)内の航行に対応できる低硫黄燃料油専用のタンクを持つ。
なお、同船は国際船級協会連合(IACS)共通構造規則(CSR)を適用している。