【ゴリラ・アイ GP747VD インプレ】ポータブル型ナビ最高レベルの測位精度は本物か

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ダッシュボード上に簡単に取り付けられるポータブルナビ。でもCN-GP747VDは測位能力の高さが自慢だ
  • ダッシュボード上に簡単に取り付けられるポータブルナビ。でもCN-GP747VDは測位能力の高さが自慢だ
  • 「GPS」「みちびき」「グロナス」を受信していることを示すアイコン
  • カメラ機能付きの最上位モデル ゴリラ・アイ CN-GP747VD
  • ゴリラ・アイ CN-GP747VDのカメラを装着した背面部分
  • ドライブカメラは水平131度の広角レンズを搭載。
  • 「カメラの設置確認」を押すとカメラ画像に切り替わり、アングル設定がしやすくなる
  • 「記録ファイル」の設定メニュー。急加減速の感度は5段階で設定可能
  • 手動録画は上書きされないファイルとなって残る

ドライブレコーダー機能にもなる「カメラ機能」をビルトインしつつ、ポータブル型ナビとして最高レベルの高精度測位を実現する新機能を搭載したのが、この夏登場したパナソニックの新型『Gorilla EYE(ゴリラ・アイ)』だ。都内~郊外を走り本機の実力に追った。

◆トリプル衛星測位&自律センサー

新型ゴリラ・アイ最大の特徴は、ポータブル型ナビ最高レベルの測位精度能力だ。一般的にポータブル型ナビは、GPSだけで測位するタイプ、加速度センサーなど自律センサーを組み合わせるタイプがあり、当然ながら後者の方が測位能力は高い。しかし、本機は測位能力でそれを超える高い能力を身につけている。

まず、ポータブルナビとしては初めてロシアのグロナス衛星に対応している。これによってGPS衛星、準天頂衛星「みちびき」と合わせたトリプル衛星受信を実現。衛星の電波を受信する確率が飛躍的に高まるため、とくにビル街などでの測位能力に大きなメリットをもたらすこととなったのだ。

◆OBD IIアダプタも用意、登場は今冬

新型ゴリラ・アイの測位能力の高さはそれだけにとどまらない。クルマの自己故障診断端子OBD IIに接続できるアダプターをオプションで用意したのだ。これに対応するポータブル型ナビはこれまでも存在するが、それらはカーナビの画面上に燃費やエンジン状態など各種車両データがナビ画面に表示できるのにとどまる。

本機のように、OBD IIからの情報を車速パルス代わりに使い、測位精度向上につなげる製品は初めてのことだ。長いトンネルを走行しても位置を正確に刻み、現在地を高精度に表示できるというわけだ。本来ならいち早くこの能力を試したいところだが、このアダプターが用意されるのは今冬となっており、現時点でそれを活かした精度をチェックできていないのが残念だ。

とはいえ、新型ゴリラ・アイは優れた自律航法システムの採用とも相まって、ポータブル型ナビとしては異例なまでに 測位の高精度ぶりを発揮する。自律センサーの搭載で高架道での高低差も自動認識するし、ビルの谷間でも驚くほど安定した動きを見せる。衛星からの電波を受信しやすくなったこともプラスになったとは思うが、ゴリラ・アイが持つ自律航法の精度によるところが実は大きいということも忘れてはならない。

ただ、この実力を発揮するにもきちんとした取り付けは必須だ。少しでもぐらついていると内蔵された自律センサーが正常に動作しないのだ。取り付け部分のたわみのないしっかりとしたパネルであることも事前にチェックしておくといい。これにより、都会からトンネルの多い山間まで足を伸ばしても常に安定した測位を行う、まさに最強スペックのポータブル型ナビを実感できることだろう。

◆高感度のHD画質撮影が可能なドライブカメラ

もうひとつの注目機能である「ドライブカメラ」は、シリーズ中、トップモデルのCN-GP747VDに搭載される。カメラはナビ本体の背面に取り付け、ナビ本体とは付属のUSBケーブルで結ばれて同時に電源も供給。シガーライターソケットから電源を取るようにセットすると、エンジンスタートに連動して自動的に録画がスタートする仕組みだ。

セットアップは付属のスタンドにナビ本体を取り付け、「カメラの設置確認」でカメラ映像を見ながらダッシュボード上の最適なポジションを決定することから始める。付属スタンドは上下方向に対する自由度があまり高くないので、カメラ映像を見ながらセッティングできるのは重宝する。取り付けで重要なのはナビ本体をダッシュボードにしっかり取り付けることだ。詳細は後述するが、ゴリラ・アイに搭載された自律センサーの能力をフル活用するためだ。

カメラのスペックは、HD画質の高解像度映像が撮影できる約92万画素CMOSに水平131度ワイドレンズの組み合わせ。撮影は長時間録画に適した「標準画質」と、高画質で鮮明に残せる「高画質モード」の2通りから選べ、27フレーム/秒で記録するため、動画映像を再生しても動きはスムーズだ。カメラのセンサー感度が高いので、夜間ドライブの様子も鮮明に捉えてくれる。撮影した映像はカメラ内に収めるmicroSDHCカードに記録し、付属のカードは8GB。対応カードは最大32GBだ。また、メニューでは動画と静止画を切り換えられ、静止画は画面上に表示されるアイコンを押すことで記録される。

◆録画モードは3つ、撮影した動画はPCでも再生可能

さて、カメラでの記録だが、撮影は大きく3タイプのモードが用意される。一つはエンジンを起動すると自動記録される「自動撮影」モード。メモリー容量がいっぱいになると自動的に上書きされる。「手動撮影」モードは、走行中に気になる店や風景を見つけたら画面上のアイコンを押す。1分遡って保存されるので、貴重なシーンを撮り逃さないのがありがたい。さらにこのモードで保存された動画は上書きされないデータとして保存もされる。そして「イベント録画」モードは、突然の急加減速などを感じた時に自動的に消去されにくいファイルとして保存される。

この3つのモードを駆使することで、いわばドライブレコーダーと同等の機能が使えるというわけだ。また、撮影したデータは種類別にアイコンで区分けされ、そのアイコンから撮影内容を推察することも可能。データには位置情報も同時記録されるため、ナビ本体で再生すれば撮影した場所を確認しながらプレビューできるのも面白い。録画した動画データはH.264・AVI形式で、PC上でもそのまま再生できるのがメリット。もちろん、SNSなどに動画映像をアップロードするのにも便利だ。

◆ポータブルナビの特長を活かしながら新機軸を積極的に導入

カーナビとしての基本能力も十分に高い。本体には16GBの大容量SSDを内蔵し、ここにHDDナビ並みのドライブに役立つ多彩な地図情報や検索情報を収録。方面案内標識や交差点拡大図をはじめ、大きな交差点であればリアルな3D交差点拡大図を表示し、そこには車線も鮮明に表示されているから、あらかじめどの車線を走行すればいいのかもわかる。複雑でわかりにくい都市高速入口案内も表示するので、スムーズな走行に大きく貢献するというわけだ。

市街詳細地図表示はもちろんのこと、3D表示による立体感あふれる地図表示も実現し、道幅に応じた地図は全国規模で対応するという充実ぶりだ。目的地検索では一般的な検索機能の充実ぶりはもちろん、旅行ガイドブック「るるぶ」100冊分に相当する「るるぶDATA」も収録する。また、地図データは高速道路や国道など、新規開通の道路データ3年間分(2017年11月30日まで)を無料で更新可能。配信データはその間1年間にきめ細かく6回更新されるので、新しい施設や道路への対応もいち早くできることも見逃せない。

誰にでも簡単に取り付けられるポータブル型ナビとしての特長を活かしつつ、ビルトイン型ナビ並みの高い実力を発揮する新型ゴリラ・アイ。幅広い使い途に対応できるドライブカメラ機能も含め、使うほどに楽しさが増すカーナビと言えるだろう。

《会田肇》

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