岩谷産業、日本初の「商用水素ステーション」をオープン…兵庫県尼崎市に

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尼崎水素ステーション全景
  • 尼崎水素ステーション全景
  • ドイツ・リンデ社製 充填パッケージ
  • ドイツ・リンデ社製 充填パッケージ

岩谷産業は、日本で初めてとなる「商用水素ステーション」を兵庫県尼崎市に完成させた。

同社は2015年に一般販売が予定されている燃料電池自動車(FCV)や今後普及が期待される燃料電池バスに水素を供給するためのインフラ整備に取り組んでいる。

当ステーションは、同社の液化水素製造拠点である大阪府堺市のハイドロエッジ社からローリーで輸送した液化水素を利用し、燃料電池自動車に供給する「オフサイト方式」を採用している。

日本初の商用水素ステーションの名称は、 尼崎水素ステーションで、兵庫県尼崎市次屋3丁目3番16号の同社当社中央研究所敷地内に建設された。敷地面積は550平方m(約165坪、液化水素貯槽部分を除く)で、水素供給方式は液化水素オフサイト供給方式を採用している。

充填方式は等圧充填で、蓄圧器とFCVなどの車載水素タンクとの圧力差で圧縮ガスを充填する。供給能力は340N立方m/h(1時間当たり6台の満充填が可能)で、充填圧力は70MPa(メガパスカル)(=700気圧)、充填時間は3分以内/台(空から満充填まで)となっている。

尼崎水素ステーションでは、ドイツ・リンデ社製の小型圧縮機(イオニックコンプレッサー「IC-90」)を搭載した充填パッケージを採用している。「IC-90」 の特長は、イオン液体の高熱容量、高潤滑性、不揮発性、低溶解性の性質を利用した圧縮機で、コンパクトでより小さなスペースでも設置が可能であり、高効率・高耐久性を有している点。

岩谷産業が今後国内各地に建設する水素ステーション(移動式を除く)には、基本的に「IC-90」を搭載した充填パッケージを設置する計画だ。

《山内 博》

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