マレーシア国内に所在していた国際テロ組織の分派は治安当局による幹部の摘発で瓦解に追い込まれたが、その後10年あまりの間に少なくとも4グループが新たに結成された模様で、治安当局が警戒を強めている。
情報筋の話として「ニュー・ストレーツ・タイムズ」が報じた。
新たに結成されたグループは、ジェマ・イスラミア(JI)やマレーシア聖戦武装組織(KMM)といったかつて猛威を奮ったテロ組織の分派が変容したもので、▽BKAW▽BAJ▽DIMzia▽ADI--というアルファベット頭文字で表される。積極的なメンバー募集を行なっており、ペラ州やセランゴール州を中心に活動しているとみられる。
4グループは独立して行動している模様だが、思想的にはアルカイダやイラクとシャームのイスラム国(ISIS、別名イラク・レバントのイスラム国=ISIL)の影響と受けたジハード(聖戦)主義を標榜している。メンバーをシリア内戦に送り込んだりしているとみられる。訓練は主にタイ南部などでアブサヤフのグループと共に行なっているという。
BKAWはフェイスブックを使ってメンバー募集を強化しており、地元も高等教育機関の学生などをターゲットにしている。5月26日にバグダッドで起きたイラク治安部隊をターゲットにした自爆テロに参加したとされるアハマド・タルミミ容疑者(26)はBKAWに所属していた。