ミドリムシ由来のバイオ燃料、ガソリン車への応用は?

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実用化すれば画期的な100%ミドリムシ由来ディーゼル燃料
  • 実用化すれば画期的な100%ミドリムシ由来ディーゼル燃料
  • ユーグレナ 代表取締役社長 出雲充氏
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25日、いすゞとユーグレナが発表した「デューゼルプロジェクト」は、ミドリムシを原料とした新しいバイオ燃料の開発プロジェクトだ。狙いはディーゼルエンジン向けの軽油の代替燃料とのことだが、ガソリンの代わりにはならないのだろうか。

そもそも、まずなぜミドリムシが燃料になるのか。ミドリムシは体内に葉緑素を持ち光合成を行う生物だ。微細藻類と呼ばれ、つまり海藻や藻に近い生き物だ。そして、体内に油脂を生成する特徴を持っている。この油脂分を抽出・精製して燃料にできないか、というのが今回のプロジェクトの発端である。

現在、市場に流通しているバイオ燃料、バイオマス燃料と呼ばれるものは、パーム、大豆、トウモロコシなどを原料としている。原料を粉砕したり絞ることで油脂を抽出する。これをエステル交換などの方法でFAME(脱脂酸メチルエステル)と呼ばれる液体に精製し、通常の軽油などに混ぜて利用する。

ユーグレナは、ミドリムシを大量に培養できれば燃料として使えるのではないかと考え、その技術を開発している。すでにミドリムシを原料としたFAME、ユーグレナFAMEの開発には成功している。今回の発表でいすゞの藤沢工場で走らせるという送迎バスの燃料は、このユーグレナFAMEを混合した燃料だそうだ。なお、ミドリムシの粉末から抽出したワックスエステル(油脂分)をユーグレナFAMEに精製する技術は第三化成の協力を得ている。ユーグレナFAMEを経由に混合し運搬するのは三和エナジーが担当する。

しかし、これはプロジェクトの最初の段階に過ぎない。ユーグレナといすゞは、最終的には軽油に混合せずともそのまま燃料タンクに入れられる100%ミドリムシ由来のディーゼル燃料の開発、実用化を目指す。従来型のバイオ燃料(ユーグレナFAMEを使った燃料も含む)は、軽油と性質が似ているが、エンジン内部にスラッジを発生させるなどそのままでは燃料として使えない。そのため軽油に混ぜて使うわけだが、日本では軽油には5%までしかまぜることができない。100%ミドリムシ由来の燃料が実現できれば、原油に頼らないディーゼル燃料が手に入るわけだ。しかも、燃やして発生するCO2は、ミドリムシが培養される段階で吸収したもので、カーボンオフセットはゼロである。

非常に有望な次世代燃料のようだが、こうなるとガソリンエンジンにも使えるミドリムシ燃料が欲しくなる。ガソリンエンジンへの応用は考えていないのか、ユーグレナ 代表取締役社長 出雲充氏は次のように説明した。

「ガソリンエンジンへの応用は考えていないわけではないが、ガソリン車については、EV、FCV等別の代替エンジン、燃料が研究されており、選択肢が多いため、ユーグレナとしては慎重に取り組んでいます。それより、飛行時間が長く高高度、低温のため液体燃料の代替が難しい航空燃料や、出力と長時間稼働が必要なディーゼルエンジン(トラック・大型車)への応用を柱とします」。

ユーグレナでは、ジェット燃料とディーゼル燃料について、ともに2018年までにミドリムシ由来100%の燃料生産の技術を確立させ、2020年までに必要な設備を整え、実用化を進めていく考えだ。
《中尾真二》

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