国際宇宙ステーションで淹れたてエスプレッソコーヒー…イタリア企業が開発

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国際宇宙ステーションで淹れたてエスプレッソコーヒー…イタリア企業が開発
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  • Credit:LAVAZZA

2014年6月13日、伊宇宙機器メーカー、アルゴテック社、伊食品大手ラバッツア社、イタリア宇宙機関asiは、今年11月に国際宇宙ステーションへ世界初の本格エスプレッソマシンを送ると発表した。

エスプレッソマシン『ISSpresso』は、今年11月から国際宇宙ステーションで第42/43次長期滞在クルーの一員となる、イタリア初の女性宇宙飛行士、サマンサ・クリストフォレッティ宇宙飛行士のフライトに合わせて準備された。流体力学を元に設計されたエスプレッソマシンは、カプセル型のコーヒーを用い、微小重力環境下でもコーヒーの抽出が可能だという。映像では、カップではなく宇宙飛行士が飲み物に使う飲み口のついたプラスチックバッグに抽出したコーヒーを入れる形だ。カップは使えないとはいえ、イタリアで多くの人に親しまれているコーヒーのブランド、ラバッツアのコーヒーの味わいを、軌道上でもそのまま楽しめる。
 通常のエスプレッソに加え、カフェ・ルンゴと呼ばれる2倍の水で抽出したエスプレッソや、お茶、ブイヨンにお湯を加えるといったことも可能で、乾燥食品を戻すこともできるという。

ISSpressoの開発は2013年の6月にスタートし、1年あまりで完成となった。アルゴテックの開発責任者デイヴィッド・アヴィノ氏は、「食事は宇宙飛行士の心理的サポートとなり、良質のイタリアンエスプレッソで宇宙での食事を締めくくりを楽しめれば、故郷にいるように感じられるだろう」とコメントしている。

国際宇宙ステーションで宇宙飛行士が口にする食事は、現在では各国がかなり開発に力を注いでおり、多様な種類がある。飲み物に関しては、フリーズドライのコーヒーやお茶、レモネードやオレンジジュースに水や湯を加えて飲むタイプが一般的だ。宇宙飛行士の食生活を豊かにする嗜好品としては、2012年にスペース X社が民間補給船 ドラゴン1号機を打ち上げた際、実験用の冷凍庫に往路のみアイスクリームを詰め、フリーズドライではないフレッシュなデザートの味わいを届けた実績が知られている。

《秋山 文野》

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