古河電工は5月22日、グループ会社のハンガリーFETI社、古河ASと共同で鉛バッテリのシミュレーションモデルを開発したと発表した。
近年、アイドリング・ストップ車やHEV、PHEV車の普及とともに、自動車の発電制御システムやバッテリの充電・放電のバランス制御システムの重要性が増している。
これらの自動車の電源マネジメント・システム高度化に伴い、コンピュータ・シミュレーションによる設計が試みられているが、一般的に広く使用されている電解液式の自動車用鉛バッテリは、充・放電の複雑な電気化学反応に伴い電圧や内部抵抗が非線形に変化するため、精密なシミュレーションモデルを構築することは困難だった。
今回FETI社は、古河電工および古河ASと共同で、自動車用鉛バッテリのシミュレーションモデルを開発。このシミュレーションモデルは、古河電工とFETI社が共同開発した鉛バッテリ状態検知センサ(BSS)のアルゴリズム開発の過程で得た知見に基づき、電解液式鉛バッテリに特有の成層化現象、充放電後の分極緩和挙動なども再現可能としている。
開発したモデルは、BSS等の電源マネジメント・システムの開発に用いられ、自動車の燃費低減、CO2排出量削減に貢献する。