東芝は、環境省が公募した「平成26年度CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業」において、「EVバス早期普及にむけた充電設備を乗用車と共有するワイヤレス充電バスの実証研究」の委託先に採択された。
この実証研究は、早稲田大学理工学術院の紙屋雄史教授と共同で提案し、実証委託先として採択されたもの。本実証では、国際戦略総合特区の川崎市殿町にあるキングスカイフロント地区と羽田空港周辺で、全日本空輸(ANA)の社用バスとしてEVバスを運行する。
今回の実証では、ワイヤレス充電システムにバスの高い車高に対応できる磁界共鳴方式を採用し、停車位置がずれた場合の許容範囲を広くするのが特長。また、充電パッドに共振用コンデンサを内蔵することで、パッドの小型化と軽量化を実現するという。
さらに、電気乗用車向けに国際標準化の進む周波数に対応した充電システムを用いることで、バスと乗用車の充電システムの共通化による効果も検証する。なお、電気バスの電池には、同社製リチウムイオン二次電池の「SCiB」を用いる。
今後、機器の設計、運行ルートの選定などを行い、2015年度から2016年度にかけてEVバスを運行し、EVバスの電気コストや性能を検証するとともに、小型EVバス、中型EVバスの性能比較も実施する。
公共・企業向けのEVは、高頻度で充電するため、安全で手間のかからない充電方法が求められているが、従来の電磁誘導方式を用いたEVバス向けのワイヤレス充電システムでは、停車位置がずれることによる伝送効率の低下や、車載の充電パッドが大きく重いなどの課題があった。